のざわ温泉交通「野沢温泉ライナー」を見てみる
『南海バス「サザンクロス」長野線 乗車記』の続きになります。
南海バス「サザンクロス」長野線で長野県野沢温泉村に到着した私。
市街地を散策して向かったのは、温泉街のほぼ中心部に位置し、交通の要所にもなっている野沢温泉中央ターミナルでした。
今回、私が長野県野沢温泉村を訪れた理由。
先述の南海バス「サザンクロス」長野線の実見が最大の目的だったのですが、実はもう一つ理由がありまして、その理由が、こちらのバス↓を見るためでした。 のざわ温泉交通が運行する野沢温泉~飯山間路線バス「野沢温泉ライナー」です。
この地区は長電バスのエリアでありますが、聞くところによると、この「野沢温泉ライナー」が健闘しているというのです。
いったい、どんな路線バスなのでしょうか。
地元住民や野沢温泉スキー場、村内の観光地に行く観光客のアクセス改善を目的に開設されました。
愛称は一般公募で決められ、便数は1日10往復設定。
実際の運行は、野沢温泉村が地元ののざわ温泉交通(本社:野沢温泉村)に運行を委託し、赤字分を補てんしているという形をとっているそうです。
野沢温泉~飯山間といえば、長電バスも路線バスを運行していますが、長電バスが中村(木島平村)や木島(飯山市)を経由するのに対し、「野沢温泉ライナー」は中尾、北飯山を経由することで速達化を図っています。
運賃も、並行する長電バスが700円であるのに対し、「野沢温泉ライナー」は600円と安く、通学定期券(10,800円/月)や回数券(3,000円/11枚綴り)も設定されており、長電バスを意識した施策を取っていることが伺い知れます。
運行開始から4年が経過しましたが、乗務員や係員に伺ったところ、近所にスキー場があることから、特に冬場の利用が多いとか。
さらに、ここ数年のインバウンドブームで、利用客数は堅調に推移しているとのことでした。
バス停の前でしばしバスを待ちます。
「野沢温泉ライナー」のバス停はナンバリング制が導入されており、英語表記もしっかり施しているなど、外国人観光客を意識したものになっています。
隣には、先程乗って来た南海バス/長電バス「野沢温泉・湯田中・長野~京阪神線」のバス停もありました。
今回乗車したのは、専用カラーを施した最新型の日野セレガHD。
ターミナル内の自動券売機で乗車券を購入し、車内でしばし発車を待ちます。
最新型ということで、EDSS(ドライバー異常時対応システム)も搭載されています。
やがて、バスターミナルには高校生と思わしき通学客が続々と。
気が付くと、バス車内には10名近くの高校生が乗車していました。
7時30分定刻に野沢温泉中央バスターミナルを発車したバスは、新田、中尾、前坂の各バス停に停車しますが、各バス停でも通学客の乗車があり、車内は朝の通学バスそのもの。
「野沢温泉ライナー」が地元住民にも利用されていることを垣間見る光景でした。
美しい車窓を眺めながら、バスは飯山市内へ。
野沢温泉村を発車して20分程で、バスは北飯山バス停に到着します。
こちらで、通学客のほぼ全員が下車していきました。
この北飯山バス、実は飯山高校の最寄りのバス停なのだとか。
「野沢温泉ライナー」が通学バス状態になる理由に納得です。
そして、8時10分、定刻5分遅れでバスは終点飯山駅に到着しました。
バス停の近くには、「野沢温泉ライナー」専用の券売機が。
増加する利用客に対応する形で設置されたそうですが、気合が入っていますね。
自治体の補助が入っているとはいえ、並行する長電バスよりも車両が良く、運賃も安く、運行本数もほぼ変わらない(平日は長電バスの方が若干本数が多い)、しかも飯山駅での案内(サイネージによる案内など)も長電バスと同様に行われているとなると、必然的に「野沢温泉ライナー」に乗客が流れてしまうのも仕方がないのかなぁと思いました。
一方で、並行する長電バスにとってはかなり手強いのでは?と感じたと同時に、長電バスはこの状況をどう認識し、今後どう対処しようとしているのかが非常に気になりました。
野沢温泉中央バスターミナルにおけるバス停の位置もいまいち目立っていない(というか私は見つけられなかった)という印象を受けましたし、飯山駅のりばの位置も「野沢温泉ライナー」よりも分かりにくいなど、「これだと野沢温泉ライナーにどうしても目が行ってしまうよなぁ・・・。」と思う点がいくつかありました。
もしかすると、長電バス側としては「あくまで地元利用客重視」で考えているのかもしれませんが、もし観光客の利用を増やしたいということであれば、今後、自治体や観光協会などと連携して、観光客に利用していただける(=利用したいと思わせる)施策を打っていかないと、正直厳しいのではと感じました。
ともあれ、野沢温泉~飯山間の直行移動に便利な「野沢温泉ライナー」。
一般利用者的にもマニア的にも興味深い路線でございました。
【乗車データ】
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南海バス「サザンクロス」長野線で長野県野沢温泉村に到着した私。
市街地を散策して向かったのは、温泉街のほぼ中心部に位置し、交通の要所にもなっている野沢温泉中央ターミナルでした。
今回、私が長野県野沢温泉村を訪れた理由。
先述の南海バス「サザンクロス」長野線の実見が最大の目的だったのですが、実はもう一つ理由がありまして、その理由が、こちらのバス↓を見るためでした。 のざわ温泉交通が運行する野沢温泉~飯山間路線バス「野沢温泉ライナー」です。
この地区は長電バスのエリアでありますが、聞くところによると、この「野沢温泉ライナー」が健闘しているというのです。
いったい、どんな路線バスなのでしょうか。
温泉街アクセスバス「野沢温泉ライナー」とは?
野沢温泉と飯山を結ぶ「野沢温泉ライナー」が運行を開始したのは、北陸新幹線が長野から金沢まで延伸した2015(平成27)年3月14日。地元住民や野沢温泉スキー場、村内の観光地に行く観光客のアクセス改善を目的に開設されました。
愛称は一般公募で決められ、便数は1日10往復設定。
実際の運行は、野沢温泉村が地元ののざわ温泉交通(本社:野沢温泉村)に運行を委託し、赤字分を補てんしているという形をとっているそうです。
野沢温泉~飯山間といえば、長電バスも路線バスを運行していますが、長電バスが中村(木島平村)や木島(飯山市)を経由するのに対し、「野沢温泉ライナー」は中尾、北飯山を経由することで速達化を図っています。
運賃も、並行する長電バスが700円であるのに対し、「野沢温泉ライナー」は600円と安く、通学定期券(10,800円/月)や回数券(3,000円/11枚綴り)も設定されており、長電バスを意識した施策を取っていることが伺い知れます。
運行開始から4年が経過しましたが、乗務員や係員に伺ったところ、近所にスキー場があることから、特に冬場の利用が多いとか。
さらに、ここ数年のインバウンドブームで、利用客数は堅調に推移しているとのことでした。
高校への通学の足にも利用されている?
今回私が乗車したのは、野沢温泉中央ターミナル7時30分の便。バス停の前でしばしバスを待ちます。
「野沢温泉ライナー」のバス停はナンバリング制が導入されており、英語表記もしっかり施しているなど、外国人観光客を意識したものになっています。
隣には、先程乗って来た南海バス/長電バス「野沢温泉・湯田中・長野~京阪神線」のバス停もありました。
今回乗車したのは、専用カラーを施した最新型の日野セレガHD。
ターミナル内の自動券売機で乗車券を購入し、車内でしばし発車を待ちます。
最新型ということで、EDSS(ドライバー異常時対応システム)も搭載されています。
やがて、バスターミナルには高校生と思わしき通学客が続々と。
気が付くと、バス車内には10名近くの高校生が乗車していました。
7時30分定刻に野沢温泉中央バスターミナルを発車したバスは、新田、中尾、前坂の各バス停に停車しますが、各バス停でも通学客の乗車があり、車内は朝の通学バスそのもの。
「野沢温泉ライナー」が地元住民にも利用されていることを垣間見る光景でした。
美しい車窓を眺めながら、バスは飯山市内へ。
野沢温泉村を発車して20分程で、バスは北飯山バス停に到着します。
こちらで、通学客のほぼ全員が下車していきました。
この北飯山バス、実は飯山高校の最寄りのバス停なのだとか。
「野沢温泉ライナー」が通学バス状態になる理由に納得です。
そして、8時10分、定刻5分遅れでバスは終点飯山駅に到着しました。
バス停の近くには、「野沢温泉ライナー」専用の券売機が。
増加する利用客に対応する形で設置されたそうですが、気合が入っていますね。
気合の入った温泉街アクセスバス
以上、のざわ温泉交通「野沢温泉ライナー」について簡単にご紹介しましたが、専用車両の投入といい、券売機設置や停留所の整備といい、定期券や回数券の設定といい、気合の入った温泉街アクセスバス(路線バス)だなぁというのが率直な感想でした。自治体の補助が入っているとはいえ、並行する長電バスよりも車両が良く、運賃も安く、運行本数もほぼ変わらない(平日は長電バスの方が若干本数が多い)、しかも飯山駅での案内(サイネージによる案内など)も長電バスと同様に行われているとなると、必然的に「野沢温泉ライナー」に乗客が流れてしまうのも仕方がないのかなぁと思いました。
一方で、並行する長電バスにとってはかなり手強いのでは?と感じたと同時に、長電バスはこの状況をどう認識し、今後どう対処しようとしているのかが非常に気になりました。
野沢温泉中央バスターミナルにおけるバス停の位置もいまいち目立っていない(というか私は見つけられなかった)という印象を受けましたし、飯山駅のりばの位置も「野沢温泉ライナー」よりも分かりにくいなど、「これだと野沢温泉ライナーにどうしても目が行ってしまうよなぁ・・・。」と思う点がいくつかありました。
もしかすると、長電バス側としては「あくまで地元利用客重視」で考えているのかもしれませんが、もし観光客の利用を増やしたいということであれば、今後、自治体や観光協会などと連携して、観光客に利用していただける(=利用したいと思わせる)施策を打っていかないと、正直厳しいのではと感じました。
ともあれ、野沢温泉~飯山間の直行移動に便利な「野沢温泉ライナー」。
一般利用者的にもマニア的にも興味深い路線でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/05/17
- 乗車区間:
野沢温泉中央ターミナル→飯山駅 - 運行会社:のざわ温泉交通
- 車両:日野/セレガHD(2RG-RU1ESDA?)
- 年式:2018年式
- 所属:本社営業所
- 社番:11
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