くしろバス「特急ねむろ号」乗車記(2015年1月乗車分)
都市間バス「特急ねむろ号」。
日本最東の都市間バス路線でもあることはいうまでもありませんが、沿線住民の通院や買い物の足として利用されている生活路線でもあります。
そのため、予約制の都市間路線であるにも関わらず、国や自治体から生活交通路線として補助を受けて運行しています。
今般、所用(法事)で根室へ行く機会があったのですが、久しぶりに「特急ねむろ号」で移動してみようか・・・ということになり、約数年ぶりに「特急ねむろ号」に乗車しましたので、今回はその時の模様を簡単に紹介します。
運行開始当初は釧路~根室間を直通していましたが、思うように乗車率が伸びなかったことから、停留所を増やしていきます。
釧路市内の主要病院に停車するようになってから、根室市・浜中町から釧路市内にある病院への通院バスの性格が強くなり、現在は釧路市内の主要病院5箇所(釧路市立病院・日赤病院・労災病院・釧路三慈会病院・考仁会記念病院)を効率良く経由することで利便性を確保しています。
一方で、便数の削減や運行管理の受委託(厚岸町内を境に根室交通が根室側、くしろバスが釧路側の運行を担当)を行うことで運行効率化を進めており、現在は平日3往復、土日祝2往復運行しています。
共にくしろバス担当便でした。
そして今回は日帰り往復利用であったため、土日祝日限定で利用できる往復割引乗車券を利用しました。
この往復割引乗車券ですが、「特急ねむろ号」往復割引乗車券と釧路市内及び根室市内の路線バス指定区間が100円で利用できるワンコイン乗車券が付いて、釧路~根室間3,100円とおトクな設定になっています。
日帰り利用という条件はつきますが、通常の往復割引運賃(4,300円)よりも1,200円安く利用出来るので、根室から釧路方面への買い物や観光利用にお勧めしたい乗車券ではあります。
やってきたのは、釧路駅前にある釧路駅バスターミナル。
バス待合所でバスを待っていると、暫くして始発のくしろバス本社から来たバスが到着します。
今回乗車したのはこちらのバス↓でした。(写真はイメージです。)
同社がFC契約して運営している「スーパーホテル」の全面ラッピングを施した、元メーカーサンプル車のいすゞガーラⅠ(KL-LV781R2)です。
黄色の車体が目立ちますね。
車内はこの様になっておりまして、
4列シート40人乗りのトイレ付き昼行高速仕様ですが、シートをはじめ車内の造りが簡素化されています。
感覚的には、トイレが付いた西鉄の「なかたに号」「ひきの号」「いとうづ号」といったところでしょうか。
8時05分、私を含め数人の乗客を乗せたバスは、定刻に釧路駅バスターミナルを発車。
MOO十字街、釧路三慈会病院、市立病院、イオン釧路店、場外馬券場(WINS釧路)にて乗車扱いのために停車した後、バスは国道44号線を一路根室へ向けてひた走ります。
沿線では、この様な車窓を楽しむことが出来ます。
JR花咲線とはまた違った車窓が楽しめるのも、「特急ねむろ号」の特徴の一つなのでは?と思ったりします。
厚岸町内で乗務員が交代した後、バスは再び根室へ向けて走り続けます。
釧路を出発して約2時間で、バスは厚床駅前に到着。
しかし降車客は無く通過し、その後は白鳥台センター、東梅、温根沼、幌茂尻と停車していきます。
根室市内に入り、西浜町で1名下車、その後北斗小学校前でも1名下車しますが、大半はその次の根室駅前ターミナルで下車していきます。
終点の有磯営業所まで乗車したいところなのですが、この後のスケジュールも考慮して、私もここで下車しました。
大昔の賑わいが嘘のような、ひっそしとした根室駅周辺の様子を見るにつけ、人口減が続いている根室市の現状を改めて思い知るのでありました。
帰りは、根室駅前ターミナル15時40分発の便で釧路へ戻ります。 この便も乗客は一桁台でした。
もっと乗って欲しいところなのですが、マイカー移動が当たり前の地域の事情と現状のバスの便数を考えると、さもありなんかなぁと思ったり。
日が沈む太陽を追いかけながら、バスは往路と全く同じ道程を釧路へ向けてひた走ります。
そして、根室を出発して約2時間40分で、バスは釧路駅バスターミナルに到着しました。
約10時間ぶりの釧路です。
今回、久しぶりに「特急ねむろ号」に乗車しましたが、過疎地域を走る都市間バスの厳しさというものを改めて実感したというのが率直な感想でした。
実は昔、仕事の関係で月に2~3回の割合でこの路線に乗車していました。
その時と比較しても、明らかに乗車率が減少しています。
当時と現在とを比較してみますと、並行するJR花咲線の乗客数も年々減少していますし、かといって街を走る車の数が増えているかというと、増えているどころか、むしろ減っているように思えます。
やはり、根室地区の地域衰退と、それに伴う人口流出(人口減)が影響しているのではないでしょうか。
そのような状況下で、果たして「特急ねむろ号」が今後も路線を維持していくことは出来るのだろうか・・・
並行するJR花咲線も含め、釧路~根室間の都市間移動手段の今後のあり方について、そろそろ真剣に考えるべき時期が来ているのではないだろうか・・・
そんなことを考えた、今回の「特急ねむろ号」の乗車でございました。
【乗車データ】
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北海道東部の中核都市「釧路」と日本最東端の市「根室」の間約130kmを結ぶ
くしろバス「特急ねむろ号」
根室交通「特急ねむろ号」
日本最東の都市間バス路線でもあることはいうまでもありませんが、沿線住民の通院や買い物の足として利用されている生活路線でもあります。
そのため、予約制の都市間路線であるにも関わらず、国や自治体から生活交通路線として補助を受けて運行しています。
今般、所用(法事)で根室へ行く機会があったのですが、久しぶりに「特急ねむろ号」で移動してみようか・・・ということになり、約数年ぶりに「特急ねむろ号」に乗車しましたので、今回はその時の模様を簡単に紹介します。
「特急ねむろ号」とはどんなバスなのか
ここで「特急ねむろ号」について簡単に紹介すると、都市間バス「特急ねむろ号」は、1988年11月10日にくしろバス(当時:東邦交通)と根室交通が1日4往復体制で運行を開始しました。運行開始当初は釧路~根室間を直通していましたが、思うように乗車率が伸びなかったことから、停留所を増やしていきます。
釧路市内の主要病院に停車するようになってから、根室市・浜中町から釧路市内にある病院への通院バスの性格が強くなり、現在は釧路市内の主要病院5箇所(釧路市立病院・日赤病院・労災病院・釧路三慈会病院・考仁会記念病院)を効率良く経由することで利便性を確保しています。
一方で、便数の削減や運行管理の受委託(厚岸町内を境に根室交通が根室側、くしろバスが釧路側の運行を担当)を行うことで運行効率化を進めており、現在は平日3往復、土日祝2往復運行しています。
黄色の車体が目立つくしろバスの専用車
今回乗車したのは、週末の釧路発1便目と根室発2便目。共にくしろバス担当便でした。
そして今回は日帰り往復利用であったため、土日祝日限定で利用できる往復割引乗車券を利用しました。
この往復割引乗車券ですが、「特急ねむろ号」往復割引乗車券と釧路市内及び根室市内の路線バス指定区間が100円で利用できるワンコイン乗車券が付いて、釧路~根室間3,100円とおトクな設定になっています。
日帰り利用という条件はつきますが、通常の往復割引運賃(4,300円)よりも1,200円安く利用出来るので、根室から釧路方面への買い物や観光利用にお勧めしたい乗車券ではあります。
やってきたのは、釧路駅前にある釧路駅バスターミナル。
バス待合所でバスを待っていると、暫くして始発のくしろバス本社から来たバスが到着します。
今回乗車したのはこちらのバス↓でした。(写真はイメージです。)
同社がFC契約して運営している「スーパーホテル」の全面ラッピングを施した、元メーカーサンプル車のいすゞガーラⅠ(KL-LV781R2)です。
黄色の車体が目立ちますね。
車内はこの様になっておりまして、
4列シート40人乗りのトイレ付き昼行高速仕様ですが、シートをはじめ車内の造りが簡素化されています。
感覚的には、トイレが付いた西鉄の「なかたに号」「ひきの号」「いとうづ号」といったところでしょうか。
8時05分、私を含め数人の乗客を乗せたバスは、定刻に釧路駅バスターミナルを発車。
MOO十字街、釧路三慈会病院、市立病院、イオン釧路店、場外馬券場(WINS釧路)にて乗車扱いのために停車した後、バスは国道44号線を一路根室へ向けてひた走ります。
沿線では、この様な車窓を楽しむことが出来ます。
JR花咲線とはまた違った車窓が楽しめるのも、「特急ねむろ号」の特徴の一つなのでは?と思ったりします。
厚岸町内で乗務員が交代した後、バスは再び根室へ向けて走り続けます。
釧路を出発して約2時間で、バスは厚床駅前に到着。
しかし降車客は無く通過し、その後は白鳥台センター、東梅、温根沼、幌茂尻と停車していきます。
根室市内に入り、西浜町で1名下車、その後北斗小学校前でも1名下車しますが、大半はその次の根室駅前ターミナルで下車していきます。
終点の有磯営業所まで乗車したいところなのですが、この後のスケジュールも考慮して、私もここで下車しました。
大昔の賑わいが嘘のような、ひっそしとした根室駅周辺の様子を見るにつけ、人口減が続いている根室市の現状を改めて思い知るのでありました。
帰りは、根室駅前ターミナル15時40分発の便で釧路へ戻ります。 この便も乗客は一桁台でした。
もっと乗って欲しいところなのですが、マイカー移動が当たり前の地域の事情と現状のバスの便数を考えると、さもありなんかなぁと思ったり。
日が沈む太陽を追いかけながら、バスは往路と全く同じ道程を釧路へ向けてひた走ります。
そして、根室を出発して約2時間40分で、バスは釧路駅バスターミナルに到着しました。
約10時間ぶりの釧路です。
過疎地域を走る都市間バスの厳しさ
というわけで、くしろバス「特急ねむろ号」の乗車記をお届けしました。今回、久しぶりに「特急ねむろ号」に乗車しましたが、過疎地域を走る都市間バスの厳しさというものを改めて実感したというのが率直な感想でした。
実は昔、仕事の関係で月に2~3回の割合でこの路線に乗車していました。
その時と比較しても、明らかに乗車率が減少しています。
当時と現在とを比較してみますと、並行するJR花咲線の乗客数も年々減少していますし、かといって街を走る車の数が増えているかというと、増えているどころか、むしろ減っているように思えます。
やはり、根室地区の地域衰退と、それに伴う人口流出(人口減)が影響しているのではないでしょうか。
そのような状況下で、果たして「特急ねむろ号」が今後も路線を維持していくことは出来るのだろうか・・・
並行するJR花咲線も含め、釧路~根室間の都市間移動手段の今後のあり方について、そろそろ真剣に考えるべき時期が来ているのではないだろうか・・・
そんなことを考えた、今回の「特急ねむろ号」の乗車でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2015/01/11
- 乗車区間:
釧路駅バスターミナル⇔根室駅前ターミナル - 運行会社:くしろバス
- 車両:いすゞ/ガーラⅠ(KL-LV781R2)
- 年式:2002年式
- 所属:本社営業所
- 社番:129
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