庄内交通「夕陽号」京都・大阪線 乗車記
前々回の記事『庄内交通「夕陽号」仙台国際空港線 簡単な乗車記』はこちら↓からどうぞ。
仙台空港から庄内交通の高速バス「夕陽号」仙台国際空港線で鶴岡エスモールバスターミナルに到着した私。
このバスターミナルを訪れたのは、2017(平成29)年4月に夜行高速バス「大阪・京都~鶴岡・酒田線」が開業して以来、約1年10か月ぶりとなります。
確か、酒田発の南海バス担当便「サザンクロス酒田線」に乗車すべく、開業日翌日に鶴岡・酒田方面を訪問した時であったと記憶しています。
(南海バス「サザンクロス酒田線」の乗車記は、こちら↓にて掲載していますので、宜しければ是非。)
施設自体は綺麗なのですが、案内がござっぱりしているというか、簡素過ぎる印象を受けます。
聞くところによると、鶴岡地区では市内の路線バス再編で増便が検討されているそうですが、このバスターミナルが今以上に賑やかになることを望みたいものですね。
さて、ここからどこへ行こうか・・・としばし考えていたのですが、やはり乗れる時に乗っておかなければと思って飛び乗ったバスが、こちら↓でした。
夜行高速バス「大阪・京都~鶴岡・酒田線」の庄内交通担当便「夕陽号」京都・大阪線です。
説明するまでもありませんが、夜行高速バス「大阪・京都~鶴岡・酒田線」は、南海バス(大阪府堺市)と庄内交通(山形県鶴岡市)の共同運行路線。
ですが、運行会社によって路線名称が異なり、南海バスは「サザンクロス」酒田線、庄内交通は「夕陽号」京都・大阪線と呼んでいます。
前回乗車したのは、南海バス「サザンクロス」酒田線でしたが、今回乗車したのは庄内交通「夕陽号」京都・大阪線。
その時の模様や南海バス便の車両の違いなどを含めて、庄内交通「夕陽号」京都・大阪線を改めてご紹介します。
細かな点で南海バス「サザンクロス」との相違点も・・・
本来であれば酒田から乗車したいところですが、「夕陽号」仙台国際空港線で鶴岡に到着したのが19時過ぎで、どう考えても酒田からは乗車出来ない時間帯であったため、今回は鶴岡エスモールバスターミナルから乗車しました。「夕陽号」京都・大阪線の鶴岡エスモールバスターミナル発車時刻は20時00分。
ところが、時間になってもバスは到着しません。
降りしきる雪の影響で遅れているのでしょうか・・・
20時02分頃、「夕陽号」京都・大阪線が鶴岡エスモールバスターミナルに入線します。 車両は、2017年式のいすゞガーラHD。
東京線用と合わせて3台導入されましたが、この車両を含めた2台が京都・大阪線用に充てられている様です。
入線後、早速乗車改札です。
車内を見てみましょう。
車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速バス仕様。
青系のシートモケットと、同じく青系の可動式枕が目立ちます。
シート配列は、南海バス「サザンクロス」と同様に最後部まで一人掛けになっていますが、シートの形状や中央列座席の通路カーテンの有無(庄内交通「夕陽号」にはなし)など、細かな点で南海バス「サザンクロス」との相違点があります。
雪の東北路・北陸路を京都・大阪へ向けて
20時05分、鶴岡エスモールバスターミナルを発車したバスは、最後の乗車停留所である庄内観光物産館へ向かいます。庄内観光物産館は、庄交コーポレーション運営する大規模な土産物店舗ですが、高速バス利用者専用待合室とパーク&ライド駐車場が完備されており、コンスタントに利用がある停留所でもあります。
こちらで数人の乗客を乗せ、鶴岡西インターから日本海東北自動車道に入ります。
暫くして、乗務員による運行経路及び各種案内が行われた後、前方モニターを使用して車内設備の案内が行われます。
雪が降りしきる中、日本海東北自動車道を南下したバスは、あつみ温泉インターで一旦高速道路を降り、ここから暫くは国道7号線を走破します。
道の駅あつみでの乗務員交代停車を挟みながら国道7号線を走破した後は、朝日まほろばインターから再度日本海東北自動車道に乗り、ここからは日本海東北自動車道~北陸自動車道~名神高速道路などを経由して、京都・大阪へと向かいます。
消灯前の休憩場所まで時間があることから、通路カーテンを閉めて休む人も結構多かったです。
途中の開放休憩は2箇所で行います。
1箇所目の休憩場所は、新潟市内に入ったところにある北陸自動車道の黒埼パーキングエリア。
こちらでは22時53分から23時05分までの12分間停車しました。
外は吹雪模様で寒かったです。
開業直後に乗車した酒田発の南海バス「サザンクロス」では、道の駅あつみにて消灯前の開放休憩を行いましたが、庄内交通「夕陽号」京都・大阪線は、消灯前の開放休憩を黒埼パーキングエリアで実施します。
酒田からの乗客にとっては4時間近く乗りっぱなしになりますが、飲食施設の充実ぶりを考えると、酒田発の消灯前休憩は黒埼パーキングエリアで実施した方が良いのかもしれません。(但し、下り便の起床後開放休憩は、これまで通り日本海が眺められる道の駅あつみの方が良いのではと思いますが。)
23時05分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
その10分後の23時15分に車内は消灯されました。
通路カーテンをセットしてシートを倒すと、いつしか夢の中へ。
翌朝まで目を覚ますことはありませんでした。
雪の影響で遅れて京都に到着
翌朝目を覚ましたのは、バスが米原ジャンクションを通過した5時35分頃。雪の影響からか、少々遅れているようです。
6時16分、バスは2回目の休憩場所である名神高速道路草津パーキングエリアに到着。 こちらでは6時30分まで停車しました。
併せて、雪の影響で30分程遅れて運行している旨のアナウンスもありました。
草津パーキングエリアにて停車中の庄内交通「夕陽号」京都・大阪線です。
6時30分、草津パーキングエリアを発車したバスは、雨交じりの雪の中を西へ進みます。
京都南インターで一旦名神高速道路を降ります。
15分程走行した7時02分、バスは京都駅八条口(ホテル京阪前)に到着しました。
本当は大阪なんばまで乗車したかったのですが、今回は行程の都合上こちらで下車。
京都駅八条口では、私を含めて7名程が下車。
開業直後の乗車でもそうだったのですが、京都~庄内間の利用が多いことを改めて実感したのでありました。
関西~庄内間を直通する貴重な交通機関なのですが・・・
というわけで、庄内交通「夕陽号」京都・大阪線の乗車記をお届けしました。今回、約1年10か月ぶりに「大阪・京都~鶴岡・酒田線」に乗車しましたが、約11時間の長時間乗車にもかかわらず快適に過ごせたのは、車両設備の良さと乗務員の丁寧な対応のおかげだと感じました。
一方で、今回の乗車で一番気になったのが、「利用者の少なさ」でした。
今回、3連休の中日に利用したのですが、「アルカディア号」(大阪・京都~山形)など周辺路線が軒並み満席であったにも関わらず、私が乗車した便は乗車定員の約半分の乗客数でした。
関西~庄内間を直通する貴重な交通機関である筈なのに・・・。
「もともと流動数がさほど多くない」「季節波動が大きい」など、様々な要因が考えられますが、私が一番感じたのは「運賃の高さ」でした。
この路線、大阪~鶴岡間で片道14,700円、大阪~酒田間で片道15,000円、京都~鶴岡間で14,400円、京都~酒田間で片道14,700円かかります。
この運賃設定、「強気」といえば聞こえが良いですが、一般利用者からすると、やはり「高い」というイメージを持たざるを得ません。
現状の利用者数の状況を考えると、事業者にとっては採算面で多少の犠牲を払うことにはなりますが、変動制運賃を導入して閑散期・通常期の利用喚起に努めるなど、何らかの施策を打たない限り、今後の路線維持は厳しいのではないかと感じました。
(因みに、大阪~酒田間片道15,000円という運賃設定は、西日本鉄道が運行する福岡~東京「はかた号」3列ビジネスシートの繁忙期運賃と同額です。)
以前にも書きましたが、かつて鉄道が果たしていた関西~庄内間を直通で結ぶという役割を、現在は夜行高速バス「大阪・京都~鶴岡・酒田線」が引き継いでいます。
長年の懸案であった路線を開設したにもかかわらず不採算で廃止・・・ということにならない様、関西と庄内地区を結ぶ懸け橋として、末永く運行を続けることを切に願いたいです。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/02/09
- 乗車区間:
鶴岡エスモールバスターミナル→京都駅八条口(ホテル京阪前) - 運行会社:庄内交通
- 車両:いすゞ/ガーラHD(QTG-RU1ASDJ?)
- 年式:2017年式
- 所属:酒田営業所
- 社番:231
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