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「ぎんなん号」 運行休止へ・・・ ~29年の歴史に幕~

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九州産交バス「ぎんなん号」 3158_01

ひろしプロジェクトです。
いつもこのブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

九州産交バス(本社:熊本市)が運行する熊本~北九州間高速バス「ぎんなん号」が、2018(平成30)年11月30日をもって運行休止されることが発表されました。

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様々な施策を講じるも・・・運行継続出来ず

(プレスリリースより引用) 

2018 年 12 月1日より熊本~北九州線
高速バス『ぎんなん号』運行休止について

  • 九州産交バス株式会社(本社:熊本市西区上代4丁目13番34号、社長:森 敬輔)は、2018年12月1日(土)より熊本~北九州線高速バス『ぎんなん号』の運行を休止いたします。
  • 当路線は、熊本と北九州を結ぶ都市間高速バスとして 1989 年 12 月に運行を開始しました。近年は利用者数が少ない状況が続いており、様々な施策を講じてまいりましたが、改善が見込めずこれ以上の継続運行は困難と判断いたしました。
  • これまでご利用くださいまして、誠にありがとうございました。
■熊本~北九州線高速バス『ぎんなん号』運行休止について

【運 行 休 止 日】 2018年12月1日(土)~
※2018年11月30日(金)まで運行いたします。
【運 行 会 社】 九州産交バス(株)の単独運行
【運 行 便 数】 1日3往復6便(熊本発3便、北九州発3便)
【運 行 距 離】 約198km
【運 行 経 路】
西部車庫 – 熊本駅前 – 熊本交通センター – 通町筋 – 味噌天神 -水前寺公園前 – 熊本県庁前 – 自衛隊前 – 東町中央 – 益城インター口 – (九州道) – 武蔵ヶ丘 – 西合志 – 植木 IC – 菊水 IC – 高速基山 – 高速宇美 – 若宮 IC – 直方 PA – (北九州都市高速) – 千代ニュータウン – 引野口 -(紫川ランプ) – 三萩野 – 平和通 – 小倉駅前 – 砂津 – 新門司港名門大洋フェリーのりば
【利 用 者 数】 年間約25,000 名(2017年9月~2018年8月)


詳細はプレスリリースの通りですが、私が驚いたのは、年間の利用者数が25,000人しかいなかったという事実でした。
この数字が本当だとすると、単純計算で1便当たりの利用者数が10人前後しかいなかったことになります。
事業者としてはこの数字、相当厳しかったのではないでしょうか。
今まで良く持ちこたえていたなぁという印象です。

波乱万丈の路線の歴史

高速バス「ぎんなん号」は、1989(平成元)年12月16日に西日本鉄道(本社:福岡市)と九州産業交通が共同で運行を開始。
両社とも専用共通カラーリングを採用し、車両も2+1配列の3列シート29人乗りハイデッカーを投入していました。
運行本数は1日9往復18便で、両社とも1日1便あたり1.5往復を担当していました。
西鉄「ぎんなん号」 4438
専用共通カラーリングを採用していた西鉄「ぎんなん号」4438号車

過去には、元「とよのくに号」の車両が投入されることもありました。
西鉄「ぎんなん号」 4579
「とよのくに号」専用カラーを纏った西鉄「ぎんなん号」4579号車

その後、利用客数が堅調に推移し、特に週末や繁忙期の混雑が目立って来たことから、1999(平成11)年には乗客積み残し防止対策として、4列シート37人定員の車両が投入されます。
西鉄「ぎんなん号」 3326
4列シート化された西鉄「ぎんなん号」3326号車

しかしながら、この好調ぶりは長くは続きませんでした。
転機が訪れたのは、自公政権下でリーマンショック後の景気対策の一環として2009年3月から約2年間実施された「高速道路上限1,000円施策」でした。
これにより利用客が減少し、採算が悪化していきます。
結果、2010(平成22)年には西鉄が運行から撤退し、全便が九州産交の単独運行に移行。
1日6往復12便に減便されます。

そして、もう一つの転機が、2011(平成23)年3月12日の「九州新幹線全線開業」です。
これにより、北九州(小倉)と熊本の間が乗り換えなしの1時間弱で結ばれたことから、更に利用客は減少していきます。
西鉄の運行撤退以降、3列シート車の再投入や運行区間の延伸、WEB割など事前購入割引など、各種施策を実施しますが、効果はさほど現れませんでした。
九州産交バス「ぎんなん号」 3102
高速基山を通過する九州産交バス「ぎんなん号」3102号車

2015(平成27)年には1日3往復6便に減便。
その2年後の2017年12月には、北九州側の起終点を新門司港(名門大洋フェリー乗り場)まで延伸し、名門大洋フェリーとの接続を図るなど改善を試みますが、所要時間が延びるなどの弊害も発生したことなどから、利用客減少を止めることは出来ませんでした。
九州産交バス「ぎんなん号」 3158 広川SAにて

九州産交バス「ぎんなん号」 3158 側面
「ぎんなん号」と名門大洋フェリーの連携をPRするも・・・

※リニューアル後の「ぎんなん号」については、このブログにも掲載しています。



今後は高速基山で乗り換えるか福岡で乗り換えるかのどちらかに・・・。

「ぎんなん号」の運行休止により、2018(平成30)年12月1日以降に北九州~熊本間をバスで移動する場合は、

  • 高速基山で「ひのくに号」(西鉄・九州産交バス)と「出島号」(長崎県交通局)を乗り継ぐ
  • 福岡(西鉄天神高速バスターミナル)で「ひのくに号」と「なかたに号」「ひきの号」「いとうづ号」(西日本鉄道)を乗り継ぐ
のいずれかになります。

これらの方法でも新幹線よりは安く移動出来ますが、所要時間を考えると・・・やはり新幹線の方が楽ですね。

ともあれ、「ぎんなん号」、運行開始から29年間、本当にお疲れさまでした。

運行最終日まであと2か月残っていますが、運行最終日まで無事に走り続けることを切に願いたいですね。

※内容の一部を訂正・修正しました。


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管理人

Koji Suda(ひろしプロジェクト)

Koji Suda(ひろしプロジェクト)

自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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