新潟市の新バスシステム(新潟BRT?)を見てみる【前編】

一般路線バス

2015年9月5日に運行を開始したものの、懸念されていた遅延の問題や運行開始直後のシステムトラブルなど、順調なスタートを切ることが出来なかった新潟市の新バスシステム。(写真はイメージです。)
新潟交通 萬代橋線BRT 連接バス ・・・3

特に遅延の問題は、今日においても根本的な解決には至っておらず、連接バス(後術説明)運行便を快速扱いにするなど、当分はダイヤの修正などで対応する様です。

新潟市の新バスシステムの「あり方」については、各メディア媒体やSNSなどで活発に議論されていることから、議論や考察については各メディア媒体や識者の方々などにお任せするとして、このブログでは先日私が新潟市の新バスシステムを実際に利用して感じたことを中心に述べたいと思います。

そもそも新潟市の新バスシステムとは?

そもそも、「新潟市の新バスシステムとは何ぞや?」という話ですが、その内容を簡単に説明すると、

  • 現行のバス路線の分割(幹線と支線に分ける)と、幹線路線への連接バスの導入。
  • 乗り換え拠点の整備と、幹線→支線もしくは支線→幹線へ乗り換えを前提としたダイヤ改正
これら2つの大きな施策を行うことで、

  • 街中での団子運転の解消
  • 直通系統時に問題となっていた遅延の解消
  • 地域内の公共交通の確保と都心アクセスの強化
  • 街中の活性化
を目指すというものなのですが・・・実際は目標とは程遠い状況が続いています。

今回運行を開始したのは、新潟駅から万代シティ・古町・市役所前・JR白山駅を通り、青山(イオン新潟青山店)までの区間の第1期導入区間。
今後、新潟~古町間のバス専用レーンの設置や連接バス増備の他、「新潟駅付近連続立体交差事業」完了後の2022年度以降は、新潟駅~長潟~スポーツ公園~新潟市民病院間を第2期導入区間として整備する計画があるそうですが、新バスシステムにあたっては未だに反対意見も多く、政争の道具としても使われている点は見過ごすことが出来ません。

因みに、新バスシステムの導入にあたっては、社会資本整備総合交付金を活用しており、インフラ整備と連接バス購入は新潟市側が担い、新潟交通へ無償貸与するという形式をとっています。(但し、新潟市側が赤字補てんすることはしないそうです。)

新バスシステムの乗り継ぎを体験してみて

今回は、新潟駅と異なる目的地の間を2往復するという形で、新バスシステムの様子を見てきました。
最初に向かったのは、旧新潟交通電車線の車両が保存されている、新潟市南区の旧月潟駅。
萬代橋ラインBRTを終点青山まで乗車し、更にW80系統に乗り継いで終点月潟まで向かいます。

新潟駅前のBRTのりばです。
新潟駅前 萬代線BRTのりば その1

新潟駅前 萬代線BRTのりば その2
最大2台のバスが同時乗車扱い出来る構造になっています。
のりばの幅が少々狭いのが気になるところです。
朝夕のラッシュ時、きちんと捌けるのでしょうか・・・。
インフォメーションはシンプルな造りになっており、サイネージによる時刻表と乗り換え案内、そして新潟駅前ののりば案内が表示されています。
って、路線図がありませんが・・・路線図も欲しいところですね。

バックで停車する新潟駅万代口バスのりばも健在です。
新潟駅前 万代口バスのりば

新潟駅前から青山まで乗車したバスはこちら↓。(写真はイメージです。)
新潟交通 萬代橋線BRT ・716
いすゞエルガノンステップ(LKG-LV234N3)です。
とかくボルグレン製の連接バスが注目されがちですが、基本は国産ノンステップバスがメイン車両となります。

新潟駅前を発車したバスは、万代シティ、古町、市役所前と停車していきますが、朝のラッシュ渋滞に加え、バス専用レーンが全くないことから、次第にバスが遅れていきます。
結局、終点の青山に到着したのは、約10分遅れの8時43分。
乗り継ぎ予定のW80系統月潟行きの青山発車時刻は8時45分。
乗り継ぎ時間が僅か2分しかありません。
しかも、青山の降車停留所からW80の乗車停留所まで、100m弱移動する必要があります。
乗り継ぎに失敗すると、次のバスが1時間後なので、ここで乗り継ぎに失敗するわけにはいきません。
危うく乗り遅れるところでしたが、何とか無事に乗り継ぎのバスに乗車。
直通系統だとこの様な心配をする必要が無いのですが・・・。

青山からはこちらのバス↓に乗車。
新潟交通 W80系統 1340 青山にて
新潟交通グループならではの、前後扉仕様の長尺キュービックLV(いすゞキュービック U-LV324N)です。
キュービックファンにはたまらないでしょうね。

青山から国道などを経由して約50分程で、バスは終点の月潟に到着。
新潟交通 月潟バス停 その1

新潟交通 月潟バス停 その2
月形図書館の駐車場内に待合室とバス停が設置されており、W80系統の他、新潟市南区のコミュニティバス「レインボーバス」(住民バス 西部コース)が発着しています。

ここから数分歩いたところに、新潟交通電車線の旧月潟駅があります。
新潟交通電車線 旧月潟駅駅舎 その1
1999年(平成11年)4月の廃線後、駅周辺の廃線敷約2.2kmの区間は遊歩道等を有する旧月潟駅周辺公園として整備され、かつての構内には同線で使用されていた車両が静態保存されています。
ここで暫くの間休憩です。
新潟交通電車線 モハ11形 その1

新潟交通電車線 モハ11形 その2

新潟交通電車線 モハ11形 その3

新潟交通電車線 モハ11形 その4

私が訪問した平日は、駅舎の中の公開は行われていないのですが、この日は偶然にも駅舎・車両の保存活動を行っている団体「かぼちゃ電車保存会」の方が、来たるイベントに向けて清掃・草刈り作業のために来ており、特別に駅舎内を見せていただくことが出来ました。(「かぼちゃ電車保存会」の方、ご配慮いただきましてありがとうございました。)
新潟交通電車線 旧月潟駅駅舎 その2

新潟交通電車線 旧月潟駅 駅名盤

公園でしばしのんびりとした時間を過ごしたところで、再び月潟バス停へ。
往路で乗車したバスと同じバスで、乗り継ぎ拠点の青山まで戻ります。
新潟交通 W80系統 1340 月潟にて

新潟交通 W80系統 1340 車内

通常50分で移動出来る区間が、幹線国道の渋滞で青山まで1時間かかり、その後は再び萬代橋BRT(青山11時40分発新潟駅前行き)で万代シティまで移動します。
青山から乗車したバスはこちら↓。(写真はイメージです。)
新潟交通 萬代橋線BRT ・883
三菱新型エアロスター(QKG-MP38FM)です。
リニューアルした車体に新潟交通のオリジナルカラーも、それなりに似合っているかもしれませんね。

青山からは昼時ということもあってか、車の量は多めでバスも次第に遅れていきます。
更に市役所前と古町から大量の乗車があったこともあり、結局万代シティには定刻10分遅れの12時16分に到着しました。

というわけで、新潟駅前~月潟間を乗り継ぎで利用してみました。
今回、新バスシステムの売りの「遅延解消」「定時制確保」と乗り継ぎシステムの検証目的でこのルートを選択してみたのですが、現状を見る限りでは、新バスシステムの売りの部分が全くといっていい程感じられず、ただ単に「乗り換え」という煩わしさが増えただけの印象を受けました。
別に系統分離する必要があったのかと。
このままですと、バス離れにさらに拍車がかからないか、心配になりますね。
もし幹線系統と支線系統に分けるのであれば、少なくても幹線系統の定時性確保は必須条件です。
計画では、新潟駅前~古町間のバス専用レーンの整備が予定されているとのことですが、前倒ししてでもバス専用レーンの整備は急いだ方が良いのではと今回乗車してみて感じました。

この後、とある所用を済ませ、午後からは新バスシステムのもう一つの売りである「連接バス」に乗車して市役所前へ移動するのですが・・・
長くなりましたので、この続きは次回といたします。


【おまけ】
新潟市内で見かけた新潟交通のいすゞキュービックLVです。
新潟交通 ・・83

新潟交通 ・・33

新潟交通 1145

新潟交通 1291

新潟交通 1359 市役所前にて

新潟交通 1426
キュービックファンにはたまらない事業者ですね。(笑)


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