新潟市の新バスシステム(新潟BRT?)を見てみる【後編】
新潟駅前~月潟間を乗り継ぎで往復移動した私。
1件所用を済ませ、続いては新バスシステムのもう一つの売りである「連接バス」に乗車して、市役所前へ行ってみることにします。
連接バスと市役所前バス停を見てみる
乗車する万代シティのバス停です。万代シティバスセンターから徒歩数分の位置にあります。
バス停のロゴ等は新しくなりましたが、情報量が少ない印象を受けます。
前回ご紹介した新潟駅前ののりばもそうなのですが、もう少し情報が欲しいですね。
万代シティから乗車したのは、こちらの連接バス↓でした。(写真はイメージです。)
オーストラリアに本社を置くボルグレン製(シャーシはスウェーデンのスカニア製)の連接バスです。
日本国内では初導入の車両で、現在のところ4台導入されています。
赤と黒のシンプルで洒落た車体デザインが特長です。
車内はこの様になっておりまして、
いかにも欧州メーカーらしい車内の造りになっております。
車内数箇所にLCD式の運賃表と乗り換え時刻表が装備されていますが、表示されている乗り換え時刻表は定時運行時の時刻で、リアルタイムで変わるというわけではなさそうです。
万代シティを発車した連接バスは、本町、古町、東中通と停車していきますが、平日にもかかわらず連接バス目当ての利用客が多く、乗降に時間を要することから、運行時刻も次第に遅れていきます。
車内には新潟交通の社員の方数名が案内係として乗務しており、定期券・敬老パス利用の方を中扉・後扉から降車する様に誘導しているのですが、車長が18mと長い連接バスでは、どうしても現金及びICカード(りゅーと等)利用者の降車扱いに時間を要する(現金及びICカード(りゅーと等)利用者は、運賃精算の関係上、前扉から降車しなければならない)ことから、1バス停あたりの停車時間が長くなる傾向にあり、これが運行時刻遅延の原因の一つになっているのではと感じました。
今後、連接バスの台数を増やす計画はあるそうなのですが、定時性を確保するのであれば、運賃を均一にして前乗り先払い制にするなど、運用面でも何らかの工夫が必要なのかもしれません。
結局、市役所前には定刻の6分遅れで到着しました。
しばし市役所前バス停を見てみます。 白山駅・青山方面行きのりばです。
降りてすぐ向かいにバスプール(6番、7番のりば)があり、県庁・市民病院・白根・大野・女池・長潟方面行きのバスに乗り継ぐことが出来ます。
古町・万代シティ・新潟駅前方面行きのりばです。
県庁・市民病院・白根・大野・女池・長潟方面から来たバスは、こののりばで街中方面行きのバスに乗り継ぐことが出来ます。
この後、デジカメの調子が一時的におかしくなり、残念ながら写真に収めることが出来ませんでしたが、双方のバス停共に、新潟駅前ののりばに設置されているサイネージ式時刻表と乗り換え案内、そして周辺ののりば案内表示が設置されています。
ですが、出来れば路線図も欲しいところですね。
あと、市役所前バス停については、系統によってのりばが分散しており、正直分かり難さを感じました。
現状の分散しているバス停の整理・統合は是非とも検討して欲しいですし、同時にこの市役所前ののりばを、新たな乗り継ぎ拠点として整備しても良かったのかなぁとも思いました。
因みに市役所前バス停に限らず、新潟駅前・万代シティ・古町・青山といった主要バス停には、当分の間新潟交通の社員の方が案内係として常駐するそうですが、新潟交通の社員の方が常駐しなくても済む様な時期が早く訪れることを望みたいものですね。
復路は、往路で乗車した折り返しの連接バスで万代シティへ戻りますが、市役所前到着時点で既に8分遅れ。
午前中と同様、古町と本町でかなりの乗客が乗降したこともあって、結局万代シティには12分遅れの14時53分に到着しました。
(危うく次なる場所へ移動するバスに乗り遅れるところでしたが、何とか間に合いました。)
まあ、1本前のバスを利用すれば解決する話ではあるのですが、とはいえ、「幹線バス」と謳っているバス路線が「時間通りに来ない」「遅れて運行する」ことによるストレスは、決して良いものではないことを改めて実感しました。
というわけで、前回と今回の2回に分けて、新潟市の新バスシステムについてご紹介しました。
色々と書きましたが、一番感じたのは
「もっとしっかりコンテンツを煮詰めてから事業をスタートしても良かったのでは?」
ということです。
バス専用レーンの問題にしろ、使用車両(連接バス)の問題にしろ、情報提供の仕方にしろ、乗り換え拠点を含む乗り継ぎシステムにしろ、どれも煮詰まっていない状態でスタートしたという印象を強く受けました。
「遅延解消」「定時性向上」とそれに伴う「乗り継ぎシステムの導入」は、決して悪いことではないと思うのですが、利用者にとっては手間が増える施策だけに、「乗り継ぎによるメリット」をしっかり作り出してPRしないことには、一般利用者には中々賛同してもらえません。
福岡(西日本鉄道の「渡辺通幹線バス」と老司・那珂川方面乗り継ぎ施策)や岐阜(岐阜乗合自動車の幹線・支線乗り継ぎ施策)などの先行事例も参考にして取り入れられるものは取り入れて欲しいですし、それ以前に幹線系統(新潟駅前~古町~市役所前~青山間)の定時性確保は即近の課題だと今回乗車してみて強く感じました。
特に新潟は、冬の降雪の問題もあります。
新潟県警察と新潟市・新潟交通3者間の調整が大変なのは分かりますが、前回の記事にも書いた通り、これ以上のバス離れを止めるためにも、新潟駅前~古町間の専用バスレーンの設置は前倒ししてでも整備を急いだ方が良いのではと思います。
度重なるトラブルでスタートした新潟市の新バスシステムですが、既に新しいバスシステムは動き出しており、間も無く1か月半が過ぎようとしています。
この事業に関しては色々と意見・議論があるようですが、今後は様々な改善を積極的に行っていただき、利用者が使い易いバスシステムに是非とも仕上げていって欲しい・・・これが今回の実見の率直な感想でございました。
さて、この後は日本横断の長距離高速バスの旅が続きますが・・・
この続きは次回といたします。
【おまけ】
おさらいというわけではないのですが、新潟交通の「萬代橋ライン」(BRT?)に使用されている車両達を改めて写真で紹介します。
新バスシステムの売りの一つである、オーストラリアボルグレン製の連接バスです。
シャーシはスウェーデンスカニア製となっており、日本国内では初の導入事例となります。
現在のところ4台導入されていますが、今後増備する計画があるそうですよ。
新潟交通の最新車両の一つである、三菱エアロスターノンステップ(QKG-MP38FM)です。
新マスクを纏った新型エアロスターと新潟交通のオリジナルカラーの組み合わせも悪くはないですね。(あくまで個人的意見ですが・・・。)
先代のエアロスターノンステップも活躍しています・・・と思いきや、実はこの車両、三菱エアロスターのOEM車である日産スペースランナーAノンステップ(LKG-AP37FM)であります。
このタイプのスペースランナーAノンステップは、全国的にも珍しいのではないでしょうか。
「萬代橋ライン」(BRT?)の主力車両である、いすゞエルガノンステップ(LKG-LV234N3)です。
一部の車両は既存路線からの転用車と推測されますが、台数が多いからか街中で頻繁にすれ違いますね。
海に近い新潟の土地柄からか、中にはそれを彷彿させる痕跡が見受けられます。
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