京成バス「新都心・幕張線」 メルセデス・ベンツ「シターロ」連接バスを見てみる
成田空港や西船橋・TDRを発着する高速路線バスをも多数運行しており、最近ではバス車内の天井にプラネタリウムを施した夜行高速バス「K★LINER」(ケイスターライナー 千葉・西船橋・TDR・東京・横浜~大阪・神戸線)が話題になっています。
数ある京成バスの路線の中でも、京成バス一の運行本数を誇るのが、今回ご紹介する「新都心・幕張線」であります。
京成バス「新都心・幕張線」とは?
「新都心・幕張線」は、幕張本郷駅と海浜幕張駅付近(幕張新都心)のオフィスビル等との間を輸送する路線で、元々は1985年に千葉運転免許センターを利用するための路線(免許センター線)として開通しました。その後、海浜幕張駅周辺の施設の充実に伴い本数が増加し、茜浜車庫ができた時点ではデータイム5分おき、朝ラッシュ時は1分おきという京成バスの最頻度運行路線となりました。
この「新都心・幕張線」、現在は以下の9系統体制で運行されています。
- 幕01:幕張本郷駅 – NTT – 海浜幕張駅
- 幕01:幕張本郷駅 – NTT – 海浜幕張駅 – 幕張メッセ中央
- 幕01:幕張本郷駅 – NTT – 海浜幕張駅 – QVCマリンフィールド
- 幕01:幕張本郷駅 – NTT – 海浜幕張駅 – 医療センター
- 幕01急行:幕張本郷駅→NTT→海浜幕張駅(急行)
- 幕03:幕張本郷駅→IBM→キヤノンマーケティングジャパン→海浜幕張駅
- 幕03:テクノガーデン→キヤノンマーケティングジャパン→IBM→幕張本郷駅
- 幕03急行:幕張本郷駅→キヤノンマーケティングジャパン→テクノガーデン(急行・富士通は通過)
- 幕04:幕張本郷駅 – IBM – 若葉三丁目
それ以外の系統については、中扉または後扉から乗車し前扉から降車する方式を採っています。
実は私、一時期千葉に住んでいた時期があり、この路線には免許更新などで何度かお世話になりました。
当時は上の写真の様な、カモメをイメージした車体のバスが主力車両でしたが、現在はこちら↓の車両が活躍しています。 2010年に導入された、メルセデス・ベンツの「シターロ」連接バスです。
ここで、メルセデス・ベンツ「シターロ」の日本での導入事例について少し触れておきましょう。
「シターロ」の日本における初導入例は、2007年12月に神奈川中央交通が4台導入したシターロGで、納車はメルセデス・ベンツと同じダイムラー傘下であり、また神奈中自身の子会社(神奈川三菱ふそう自動車販売)を通して強固な関係にある三菱ふそうトラック・バスが担当しました。
2008年2月4日より、厚木市内の路線で運行を開始しています。
2010年には、「新都心・幕張線」で使用していた既存の連節バス車両(ボルボ製KC-B10MC改)の置き換えのために、京成バスでもシターロGを10台導入。
その後5台追加導入され、現在は15台のシターロが活躍しています。
2012年には、東京都初の連接路線バスとして神奈川中央交通が町田市内で4台の運行を開始。
関東地方以外は、中部地区で初めて岐阜乗合自動車(岐阜バス)が2台導入し、2011年3月27日より岐阜駅と岐阜大学病院を結ぶ路線に用いられている他、関西地区では神姫バスが2台導入し、2013年4月より三田市内路線で使用されています。
現在、「シターロ」Gは日本向けの製造を中止していますが、2016年に滋賀県草津地方(JR南草津駅-立命館大びわこ・くさつキャンパス間)にて導入予定の連接バスが、新潟市や福岡市で導入が予定されているボルグレン製(スカニア製エンジンを搭載)ではなく「シターロ」Gになるという話があり、同車の日本再登場になるのかを含めて注目されるところです。
私自身、京成バスの「シターロ」Gにはこれまで一度も乗車したことが無く、以前から乗車してみたいとは思っていたのですが、2015年4月の「Lions Express」お別れ乗車後に少し時間が出来たことから、大宮からJRを乗り継いで幕張本郷駅へと向かいました。
千葉ロッテマリーンズラッピングバスが・・・
幕張本郷駅のバスのりば南口にあり、京成バス「新都心・幕張線」もこちらから発車します。バスのりばにてバスを待っていると、なんとこちらのバス↓が・・・。 「千葉ロッテマリーンズ」のラッピング仕様車ではありませんか!
マスコット「マーくん」と、白地に黒の縦じまのユニフォームをイメージした帯がラッピングされています。
マリーンズファンにはたまらないでしょうね。
早速乗車します。
今回乗車したのは、免許センターから富士通・海浜幕張駅を経由して幕張メッセ中央まで行く系統です。 写真では分かり難いですが、車内にはマリーンズの選手のサインも・・・。
車内はこの様になっておりまして、
後部車両にエンジンを搭載するプッシャー方式を採用している関係上、後部車両の乗降扉から後は床が高くなっています。
樹脂製の座席が、いかにも欧州製バスという印象を受けますが、実はこの「シターロ」G、これまで日本に輸入された外国製バス車両とは異なり、欧州仕様ほぼそのままで導入されております。
例えば、画像を見て頂けると分かるかと思いますが、窓ガラスの各所にはハンマーが設置されています。
日本の保安基準においては、定員30人以上のバス車両には非常口を設置しなければならないことになっていますが、本型式では非常口は設置されておらず、その代わりに窓ガラスを割るためのハンマーが設置されているというわけなのです。
輸入に際して国土交通省で安全性の確認を行なった結果、非常口と同等以上の安全性が確保されていると判断されたため、本車両では非常口の設置に関する基準については適用除外とされています。
また、車体幅も欧州の規格である2550mmのままでの導入されていますが、道路運送車両の保安基準「長さ12メートル、幅2.5メートル、高さ3.8メートル以下」に抵触することから、車両の導入に至っては特認を受けています。
まあ、要するに、色々な意味で「特殊な車両」なのです。
幕張本郷駅を発車したバスは、幕張西2丁目から免許センター・富士通・NTTを経由し、15分弱でJR海浜幕張駅に到着。
あっという間に着いてしまいます。
かつては幕張メッセや千葉マリーンスタジアム(現:QVCマリーンフィールド)への玄関口というイメージが強かったこの地区も、現在はイオンや富士通、NTT、キャノンマーケティングジャパンなどの企業が進出し、オフィス街としての側面が強くなった様に思えます。
駅周辺には商業施設も出来、昔と比較すると格段に便利になりました。
海浜幕張地区には久しぶりに来ましたが、あまりの発展ぶりに驚いた・・・というのが正直な感想です。
というわけで、京成バスの「新都心・幕張線」で活躍するメルセデス・ベンツ「シターロ」連接バス(シターロG)を簡単にご紹介しました。
この車両には今回始めて乗車しましたが、個人的には乗り易くて良い車両という印象を受けました。
ノンステップ化により、先代の「富士重工-ボルボ製」連接バスと比較すると、定員は若干減っている印象を受けましたが、乗降時の段差がなくなったことで、特に高齢者や車椅子利用者にとってはありがたい車種選択だったのではと思います。
ただ、運用する現場サイドにとっては信頼性・耐久性の面で苦労もあるそうで、来年のJR南草津駅-立命館大びわこ・くさつキャンパス間で導入される予定の車両や、来る2020年東京オリンピックに向けて同車が再び日本で評価される時が来るのか・・・私としてはこの点に注目したいですね。
ともあれ、日本国内でも中々お目にかかれない連接バスではありますが、京成バスの「新都心・幕張線」は本数も比較的多く、同社の公式サイトでも連接バスが使用される便を確認することが出来ますので、狙って乗車することが出来ます。
野球観戦・幕張メッセでのイベントへの足として、京成バスの「新都心・幕張線」を利用してみては如何でしょうか。
個人的には面白いバスだと思いますよ。
【乗車データ】
- 乗車日:2015/04/20
- 乗車区間:
幕張本郷駅→海浜幕張駅 - 運行会社:京成バス
- 車両:メルセデス・ベンツ/シターロG
- 年式:2010年式
- 所属:新都心営業所
- 社番:4826
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