しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」乗車記

夜行バス,高速バス乗車記

静岡県と関西を結ぶ交通機関と言えば、多くの方は「新幹線」を挙げるでしょう。
勿論、新幹線がメジャーな交通機関であることは言うまでもありませんし、否定もしません。

ですが、実はもう一つ取り上げておきたい交通機関があります。
その交通機関とは・・・「高速バス」であります。

静岡県と関西を結ぶ高速バスは、経由便を含めて昼行・夜行全9路線運行されています。
有名どころでは、JR東海バスと西日本JRバスが運行する「京阪神ドリーム静岡号」や、静岡県内の東名高速道路上のバス停を経由する「東海道昼特急」「プレミアム昼特急」がありますが、今回は、その中からしずてつジャストライン(本社:静岡市)が運行する清水・静岡~京都・大阪線「京都大阪ライナー」を取り上げます。

しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653

しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 リア

夜行高速バス「京都大阪ライナー」は、2011年3月4日に開業した路線で、阪急バス(本社:豊中市)としずてつジャストラインが共同で1日1往復運行しています。 
静岡~京都・大阪間においては、JR東海バスと西日本JRバスが運行する「京阪神ドリーム静岡号」と競合関係にありますが、浜松・静岡地区をカバーする「京阪神ドリーム静岡号」に対して、「京都大阪ライナー」は静岡・清水地区をくまなくカバーしているのが特徴と言えましょう。
開業してから暫くの間は、利用状況が思わしくなかったと言われていましたが、最近は路線の存在が徐々に知られてきていることや、JRバスに対抗して導入された早割運賃の効果もあってか、週末を中心に混雑する様になっているそうです。
この路線については、以前から私自身も注目しており、一度乗車してみたい路線の一つでもありました。
今般、後日このブログでご紹介する予定の大井川鉄道視察の足として利用する機会が生じ、早速乗車してきました。

大雪で運休路線続出の中、無事に運行!

やって来たのは、大阪阪急梅田の高速バスターミナル。
阪急バスグループが運行する高速バスがひっきりなしに発着する一大高速バスターミナルです。
ですが、この日は関東・信越地区の大雪の影響で、関東・長野方面の夜行高速バスが軒並み運休するという事態に。
待合室でバスの到着を待つ乗客の数も、週末にしては少な目です。

「京都大阪ライナー」の出発時刻は22時00分発。
阪急バス富山線の夜行便及び西日本鉄道の福岡行き「ムーンライト号」と同時刻発車になります。
しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 大阪梅田改札中

車内の様子はこちら↓。
しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 車内

しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 シート
3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様になっていますが、木目調の床に枕付きシート・通路カーテン・飲み物セルフサービス付と、サービス自体は阪急バスのものを踏襲していてレベルが高いです。
シートの座り心地(固さ)も丁度良く、眠るには問題ないシートに仕上がっています。

こちら大阪梅田からは私を含めて16名が乗車します。
待合室内の案内ボードや予約サイト(発車オーライネット)では「空席あり」と表示されていただけに、大阪梅田からの乗車人数の多さには正直驚きましたね。
雪の影響による飛び込み利用が多いのか、それもと早割利用が多いのか・・・判断が付きかねるところではありますが・・・。
その後、新大阪で4名、千里中央駅で1名、京都駅前(新阪急ホテル前)で4名が乗車しますが、予約無しの飛び込み乗車の方も数名おり、乗務員も座席の指定と運賃収受をテキパキとこなしていきます。
京都駅前で合計25名を乗せたバスは、最後の停留所である京都深草に停車。その後、深夜の高速道路を一路静岡・清水へと向います。
しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653<br />
車内 その2

開放休憩は消灯前の1回のみで、上り便(静岡・清水ゆき)ですと名神高速道路の草津パーキングエリアにて20分間停車します。
定刻ですと、深夜0時前後に到着します。
しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653
開放休憩が終了すると、車内は消灯され、翌朝まで下車することが出来ません。
通路カーテンをセットして、シートを倒して目を瞑ります。
車内が寒いのが若干気になりましたが、衣類で調整して寒さをしのぎます。
いつしか夢の中に吸い込まれ、気が付くとバスは暗闇の東名吉田バス停に到着していました。

5時30分前、室内灯が点けられ起床。
やがて案内放送が流れ、東名吉田バス停到着となります。
ここでの下車客は0で、その後の東名大井川・東名焼津西・静岡インター入口は降車客がいないこともあって通過します。
纏まった数の降車があったのは、静岡駅前17番乗り場。
ここで約半数の乗客が下車していきます。
しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 車内モニター

その後、新静岡・三松・沓谷・古庄・瀬名川西・押切・永楽町とこまめに停車し、終点の清水駅前には定刻よりも10分早い6時35分に到着しました。
しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 清水駅前到着 その1

しずてつジャストライン「京都大阪ライナー」・653 清水駅前到着 その2
終点の清水駅前まで乗り通したのは、私を含めて6名。
もっと少ないのでは?と思っていただけに、この数は正直意外でした。

今回初めて「京都大阪ライナー」を利用しましたが、まず感じたのは乗客数の多さでした。
先述の通り、路線の存在が徐々に知られてきているということもあるでしょうし、早割運賃導入の効果も現れていることでしょう。
ですが、今回乗車した限りでは、そのどちらかであるかは残念ながら判断できませんでした。
飛び込み客もそれなりにいたことを考えると、前日の大雪の影響もあるのかもしれません。
とはいえ、2月閑散期の週末で25名乗車という数字を考慮すると、それなりに路線に対する知名度・支持は獲得しつつあると見て良いかもしれませんね。

この路線の売りは、やはり「サービスレベル」の高さです。
今時、飲み物サービスを実施している事業者は少ないですし、車両の造りも平行するJRバスの車両と比較すると、しっかりとしたものになっています。
一言で言うならば、「安さのJR」「サービスの阪急・しずてつ陣営」といったところでしょうか。
今後は、平日の乗車率を如何に上げていくかということと、乗務員の更なるサービスレベルのアップが課題だと今回乗車してみて感じました。
この2点をクリアすれば、JRバスに対して十分に勝負できるだけの路線に成長するのでは?と私は思います。

ともあれ、今回ご紹介したしずてつジャストライン「京都大阪ライナー」、機会があればまた乗車したいですね。
今度は静岡鉄道線をじっくり見てみることにしましょうか・・・。 


【乗車データ】
  • 乗車日:2014/02/15
  • 乗車区間:
    大阪梅田(阪急三番街)→清水駅前
  • 運行会社:しずてつジャストライン
  • 車両:日野/セレガHD(LKG-RU1ESBA)
  • 年式:2011年式
  • 所属:西久保営業所
  • 社番:653


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