高速バス表示ガイドラインについて

夜行バス,昼行高速バス




今日はちょっとお堅い話を。

いささか旧聞の話になりますが、GWに発生した関越自動車道高速ツアーバス事故を受けて、国土交通省が先月上旬に「高速ツアーバス等貸切バスの安全規制の強化について」を決定し、「今夏の多客期の安全確保のための緊急対策」等を取りまとめました。
その対策が以下の6点になるのですが・・・・

1.高速ツアーバス運行事業者リストの作成・公表及び同リストの活用
→ 高速ツアーバス運行事業者リストを公表
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000010.html

2.旅行業者・貸切バス事業者間の書面取引の義務化
→ 省令・告示の公布
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000008.html

3.「高速バス表示ガイドライン」の策定
→ ガイドラインの策定・公表
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000009.html

4.「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」の策定
→ ガイドラインの策定・公表
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000011.html

5.旅行業法の制度の見直しによる安全対策強化
→ 省令の公布
http://www.mlit.go.jp/common/000216017.pdf

6.「高速ツアーバスの安全通報窓口」の設置
→ 通報窓口の設置
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000006.html

詳細は各リンクを参考していただくとして、今回はその中から

3.「高速バス表示ガイドライン」の策定

に焦点を当てて書こうかと思います。

リンクをクリックして頂いて、本体の文章(pdfファイル)を熟読していただければ分かることなのですが、このガイドラインの大まかな内容を挙げると、

①ネット、紙媒体での表示内容について

 ・「高速ツアーバス」のみを販売するサイトでは、今後「高速バス」という用語を用いるのがNGになる。
 ・楽天トラベルの様な「高速路線バス」「高速ツアーバス」を併売するサイトは、
  「高速乗合バス(路線バス)」又は「高速ツアーバス(募集型企画旅行)」のいずれかを、
  販売する商品毎に表示する。(一部例外あり)
 ・以下の内容について標記する。
  運行形態、運行距離、所要時間、運転方式(2名乗務、1名乗務、途中交代などの記述、
  片道実車距離400km以上)、任意保険・共催、乗降場所
  「高速ツアーバス」はこれに加えて安全運行協議会の記載と、国土交通省の
  「高速ツアーバス運行事業者リスト」のリンクも設置する。

②バス車外、車内の掲示について

 ・「高速ツアーバス」は、「高速ツアーバス」、企画催行旅行会社、運行貸切バス会社を記載した表示板を
  車外出入り口付近に剥がれないように掲示する。
 ・片道実車距離400km以上の「高速路線バス」「高速ツアーバス」は、
  -乗合バス事業者名(高速乗合バスのみ。)
  -旅行業者名(高速ツアーバスのみ。)
  -貸切バス事業者名(高速ツアーバスのみ。)
  -運行経路
  -実車距離
  -運転者の配置計画
  (例.「2名乗務」、「◇◇SAで待機中の運転者と交替」、
「交替予定なし(◇◇SAで休憩し、運転者が2時間仮眠)」)
  -車両の初度登録年月(例.「平成20年5月」)
  -事故防止技術の装着状況
  (例.「居眠り感知装置」、「ふらつき注意喚起装置」、「車線逸脱警報装置」)
  -運行に係る注意書き
  以上を記載したものを、車内の見やすい位置(出入口付近や運転席後ろの仕切り版など)に
  掲示するか備え付ける。

③車内の放送について

 ・片道の実車距離が400kmを超える運行については、起点バス停留所等からの出発時に
  運転者(交替運転者を含む。)が氏名、途中休憩の場所(運転者が仮眠を取る場合は
  その旨も付言)及び安全運転で運行する旨の車内放送を行う。

以上が大まかな内容ですが、

「随分と細かく決めてきたなぁ・・・・・」

というのが私の第1印象でした。
まさか、車内放送の内容まで決めてくるとは思いませんでしたが・・・・・。
もっとも、あれだけの事故が起きた訳ですから、これくらいはやらないと・・・・というところなのでしょう。

これから夏の繁忙期に向けて、「高速路線バス」運行会社及び「高速ツアーバス」主催会社・運行会社はこのガイドラインの対応に追われることになります。
ガイドラインの内容からして、「高速路線バス」よりも「高速ツアーバス」の方が対応作業に時間を取られるのでは?と思いますね。
既にこのガイドラインを意識した動きも出ており、夜行高速バス「ドリーム号」などを運行するJRバス関東では、公式サイトにこの様なページを掲載し始めました。

⇒ 「運行管理体制」(JRバス関東公式HP)

この夏にご旅行や帰省で「高速路線バス」もしくは「高速ツアーバス」を利用しようと考えている方、バス会社の公式サイトやバスの出入口、車内をちょっと注意して見て下さい。
今迄とは違う記載内容が見られるかと思いますよ。
そして、その記載内容を元に乗るバスを選ぶ・・・・・
これが今回のガイドラインの最大の目的であり、我々利用者の自己防衛にも繋がります。

残念なことではありますが、今や乗り物の選択も自己責任の時代になってきました。
運行会社及び催行会社に対しては、我々が選択できる内容を包み隠さずきちんと提示していただくことを切に望みたいものですね。


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