東急トランセが夜行高速バスに参入!「パイレーツ号」が大幅リニューアル

夜行バス

公式リリースなどでご存知の方も多いかと思いますが、瀬戸内運輸(今治市)は今治・新居浜~東京間夜行高速バス「パイレーツ号」を4月15日に大幅リニューアルを実施することを発表しました。
その中で、これまで単独で運行していた同路線を、株式会社東急トランセ(東京都)と共同運行することも発表しました。(写真はイメージです。)

東急トランセ 河口湖線 2719

老舗の長距離路線「パイレーツ号」

夜行高速バス「パイレーツ号」は、1989年7月14日に京浜急行電鉄(現:京浜急行バス)と瀬戸内運輸の共同運行路線として開設された、20年以上の歴史を誇る夜行高速バスの中では老舗の部類に入る路線です。
当時は東京と愛媛県を直行する夜行高速バスが無かったことから、運行開始当初からビジネスや旅行、帰省客などで混み合う路線として有名で、20年以上経った今日においてもその傾向は続いています。
ところが、2015年9月30日をもって京浜急行バスが諸事情により運行から撤退。
翌日からは瀬戸内運輸単独による運行に変更し、今日に至っています。

東急トランセ参入による「パイレーツ号」大幅リニューアルの内容とは?

今回発表された「パイレーツ号」大幅リニューアルの内容は次の通りです。

  • 東急トランセの新規参入
  • 東京側の停留所変更
  • 運行時刻の変更
  • インターネット予約サービスの開始
  • 運賃の改定(値上げ)
中でも特筆すべきは、東急トランセの夜行高速バス新規参入です。
東急トランセは、渋谷駅から代官山エリアへの循環路線(代官山循環線)や御殿場プレミアム・アウトレット、河口湖方面への高速バスの運行、東急バスの一部路線の受託運行、貸切バスの運行を行っているバス会社で、東急バスの子会社でもあります。
同社の高速バス事業参入は2014年と比較的最近で、夜行高速バスの運行は今回の東京~今治線が初となります。
また、東急バスグループとしては、1988年~1989年にかけて開設した夜行高速バス「ミルキーウェイ」(東京渋谷~松江・出雲、神戸・姫路、和歌山、鶴岡・酒田)が1998年に全て廃止、他事業者へ移管して以降、約18年ぶりの夜行高速バス再参入となります。(写真は東急バス「ミルキーウェイ」)
東急バス「ミルキーウェイ」 4123
私のみならず、『東急の夜行高速バス=「ミルキーウェイ」』を連想する方も多いと思いますが、東京~今治線の車両がどの様に仕上げてくるのか、車種は?カラーリングは?などなど興味が尽きませんね。

今回の東急トランセ参入に伴い、東京側の発着場所が品川・浜松町から渋谷・二子玉川に変更されます。
注目すべきは、二子玉川に夜行高速バスが乗り入れることですが、二子玉川は一大ショッピングエリアと住宅地が混在した街として注目されている場所であり、最近では楽天の本社が移転してきたことでも知られています。
今回新設される予定の二子玉川の停留所は、東急田園都市線二子玉川駅から徒歩数分の「二子玉川ライズ(楽天クムゾンハウス)」
楽天本社が入居している複合施設「二子玉川ライズ」の1階バスのりばにて発着します。
このバス停は既に羽田空港行き、成田空港行きのリムジンバスが発着していますが、東急田園都市線沿線にお住まいの方は二子玉川バス停からの利用が便利です。

今回のリニューアルではダイヤ改正も実施され、所要時間が10程短縮されます。
詳細はリリースされていませんが、もしかすると2016年2月に開通した新東名高速道路の新区間(浜松いなさJCT~豊田東JCT)経由に変更するのかもしれません。

そして、今回のリニューアルを機に、ついに「パイレーツ号」でも本格的にインターネット予約サービスが開始されます。
これまでは京浜急行バス側でインターネット予約サービスを提供していましたが、瀬戸内運輸側では電話予約のみ(予約後のコンビニ発券は可能)であったため、利便性の向上が期待されます。
提携サービスは発車オーライネットJTB HTA
発車オーライネットは3月15日(4月15日乗車分)より、JTB HTAは3月17日(4月15日乗車分)よりご利用いただけます。
(路線リニューアルに伴い、京浜急行バスでの予約業務は2016年4月14日をもって終了となります。)

尚、今回のリニューアルに伴い、運賃が改定され値上げとなります。
全区間片道500円(往復900円~1,000円)の値上げとなりますが、利用状況によっては変動制運賃の導入・・・ということも考えられるかもしれません。

以上、東急トランセ参入を核とした夜行高速バス「パイレーツ号」大幅リニューアルについてご紹介しました。
京浜急行バス側の諸事情により「パイレーツ号」を単独で維持している瀬戸内運輸。
地方事業者とはいえ、昨今の乗務員不足は他人事とはいえず、瀬戸内運輸側としては「どうにかして共同運行会社を見つけたい」という思いがあったのではないでしょうか。
そして、今回約18年ぶりに夜行高速バス再参入を果たすことになった東急バスグループ。
当初から目的があった参入なのか、それとも瀬戸内運輸からのラブコールに応える形での参入なのかは不明ですが、昼行高速バス3路線の運行で培ったノウハウをどの様にして夜行高速バス「パイレーツ号」に生かすのか、私のみならず関係各方面から注目を集めることは間違いないでしょう。
ともあれ、2016年4月15日という日は、夜行バスファンにとって、そして東急バスファンにとって歴史的な1日になりそうです。

2016年4月15日以降の「パイレーツ号」時刻表・運賃についてはこちらにてご確認願います。


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