大阪なんば・大阪駅前・京都と、神奈川県の小田原・藤沢・鎌倉・横須賀・戸塚を結ぶ夜行高速バス「サザンクロス」鎌倉線。
南海バス(本社:堺市)と和歌山バス(本社:和歌山市)が共同で運行しています。
南海バス「サザンクロス」鎌倉線(日野セレガHD)
和歌山バス「サザンクロス」鎌倉線(三菱エアロエース)
2026年10月2日、この路線の南海バス便に、始発の湊町バスターミナル(なんばOCAT)から終点の戸塚駅東口まで全区間乗車しました。
今回は、所要時間や途中休憩、車窓の見どころ、座席選びのコツを、2026年の最新の乗車ログとあわせて時系列でお届けします。
結論:関西から湘南・横須賀へ「乗り換えなし」で行ける快適な夜行バス
先に結論をまとめます。
- 全席3列独立シート+カーテン+トイレ付きで、夜行バスとしてはハイグレード。しっかり眠れます。
- 途中の開放休憩は草津PAの1回のみ(約10分)。消灯後は朝まで停まらないので、休憩でトイレや買い物を済ませておくと安心です。
- 座席は「C列(進行方向右側)」がおすすめ。朝、西湘バイパスと逗子海岸の海が車窓いっぱいに広がります。
- 小田原駅東口には朝5時台に到着。小田原で降りる人は早めの起床が必要です。
- 横須賀・戸塚方面は朝の渋滞の影響を受けやすく、平日は到着が遅れることがあります。
「サザンクロス」鎌倉線の基本情報(停留所・座席・運賃)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運行会社 | 南海バス/和歌山バス(共同運行) |
| 乗車地(大阪・京都) | 湊町バスターミナル(OCAT)、南海なんば高速バスターミナル、大阪駅前(桜橋口JR線高架下)、高速京田辺、京都駅八条口 |
| 降車地(神奈川) | 小田原駅東口、藤沢駅南口、鎌倉駅東口、京急横須賀中央駅前、JR横須賀駅前、戸塚駅東口 |
| 座席 | 3列独立シート(28人乗り)、全席通路カーテン付き |
| 設備 | トイレ、USBポート、無料Wi-Fi、レッグレスト、フットレスト |
| 途中休憩(大阪・京都発) | 草津PAで1回(消灯前) |
| 運賃の目安 | 変動運賃制。乗車日・区間により片道5,600円~11,300円 |
| 所要時間(今回) | 湊町バスターミナル21時55分発 → 戸塚駅東口08時00分着(約10時間) |
「サザンクロス」鎌倉線とは?|路線の歴史と現在のルート
以前は江ノ電バス(本社:藤沢市)との共同運行でしたが、同社の夜行高速バス事業撤退にともない、2020年4月からは同じ南海電鉄グループの和歌山バスが運行に加わりました。
江ノ電バス「夜行高速バス 京都・大阪線」811(三菱エアロクイーン)
その後、2022年10月1日のダイヤ改正で大きく2つの変更がありました。
- 大阪側の起終点が堺(JR堺市駅前)から大阪なんばへ変更
- 神奈川側で横須賀市内(京急横須賀中央駅前・JR横須賀駅前)を経由するルートに変更
堺から夜行バスが一つ消えたのは、かつての南海高速バスの全盛期を知る者としては寂しいところです。
一方で、横須賀への直通ルートができたことで、新しい利用者層を獲得しているようにも感じます(この点はまとめで触れます)。
和歌山バス便の乗車記・車両紹介はこちらの記事もどうぞ。
今回の車両|南海バス堺営業所735号車
今回乗車したのは、2024年乗車時と同じ南海バス堺営業所所属の735号車(日野セレガHD 2PG-RU1ESDA)です。
2020年に導入された「サザンクロス」専用車両で、デビュー後は鎌倉線のほか立川線・長岡線・長野線でも活躍。
現在は鎌倉線のほか、長岡線・長野線で運用されています。
車内設備をチェック|全席3列独立シート+通路カーテン
座席:全席独立の3列シート
車内は3列独立シート・28人乗りの夜行仕様です。
大理石調の床と、茶系のチェック柄シートモケットが落ち着いた雰囲気。
全席が1人掛けで、各席に通路側カーテンが付いているので、隣の人を気にせず過ごせます。
シートは天龍工業製の可動式枕付きシートで、西武バスの新型車両や、とさでん交通「ブルーメッツ号」などでも使われているものです。
リクライニングがかなり深く倒れるため、約10時間の長距離移動でも体への負担を抑えられます。
横一列に3席を配置し、それぞれの間に通路がある座席配置のことです。
一般的な4列シート(2席+2席)に比べて1席あたりの幅が広く、隣に他人が座らないのが最大のメリットです。
車内設備:快適に過ごすための装備が充実
レッグレスト・フットレスト
ふくらはぎを支えるレッグレストと、足を乗せるフットレスト(足置き台)を完備。
足を伸ばした姿勢で眠れるので、むくみ対策にも役立ちます。
アメニティ:使い捨てスリッパ・エチケット袋
シートポケットにはエチケット袋と各種リーフレット、フットレストのポケットには使い捨てスリッパが入っています。
スリッパは持ち帰りもできます。
充電:肘掛け下にUSBポート
各座席の肘掛け下に充電用USBポートがあります。
南海バスの夜行高速用車両は2016年式まではコンセント(100V)でしたが、2018年式の677号車からUSBポートに切り替わっています。
USBポートはスマートフォンやモバイルバッテリーの充電向き。
ノートパソコンなど、ACアダプターが必要な機器は使えませんので注意しましょう。
USBケーブル(Type-AまたはType-C)は自分で持参する必要があります。
Wi-Fi・トイレ
無料Wi-Fiも利用できます。
トイレは車内中央の階段を下りた先にあります。
開放休憩は1回のみなので、いざというときに車内トイレがあるのは心強いです。
乗車ログ①|大阪・京都で乗客を乗せて東へ
今回の乗車日は2026年10月2日(金)。
座席は、朝の海側になる08C席を指定しました。
21時55分 湊町バスターミナル(なんばOCAT)発車
大阪側の始発地は、JR難波駅に直結する湊町バスターミナル(なんばOCAT)。
21時55分、定刻に発車です。
22時10分 南海なんば高速バスターミナル発車
15分ほどで、南海電鉄難波駅に隣接する「スイスホテル南海大阪」の玄関前にある南海なんば高速バスターミナルへ。
ホテル玄関前ののりばはこぢんまりとしていますが、少し離れた建物に乗車券カウンター、トイレ、パウダールーム(女性専用)、自販機がそろっています。
カウンターでは南海バスのオリジナルグッズも販売しています。
両者は徒歩20分ほど離れています。
JR線や地下鉄から向かう人はOCAT、南海線を使う人や発車前に設備を使いたい人は南海なんば高速バスターミナルが便利です。
22時37分 大阪駅前(桜橋口JR線高架下)発車
南海なんばを出たバスは、22時16分に湊町ランプから阪神高速に入り、22時22分に出入橋ランプで降りて大阪駅前(桜橋口JR線高架下)へ。
大阪駅前バス停では多くの乗客が乗り込み、車内は一気に満席近くになります。
22時37分、定刻2分遅れで大阪駅前を出たバスは、22時39分に梅田ランプから再び阪神高速へ。
第二京阪道路に入り、23時15分に高速京田辺で乗車扱いをしたあと、京都市内へ向かいます。
23時45分 京都駅八条口発車|最後の乗車扱いで満席に
23時27分に上鳥羽ランプで第二京阪道路を降り、一般道を走って京都駅八条口H2のりば(ホテル京阪前)に到着します。
こののりばは、京阪バスの高速バスや定期観光バス、関西空港行きリムジンバスが発着する場所です。
「南海バスが京都に?」と意外に思われるかもしれませんが、業務提携により京都駅八条口への乗り入れが実現しています。
京都からも乗れることで、利用の幅が広がったのは間違いないでしょう。
京都駅八条口で残りの乗客を乗せて満席となり、23時45分、定刻に発車しました。
正直、この路線が満席になるイメージはありませんでしたが、週末や繁忙期は満席になることも少なくないそうです。
発車後は車内設備を案内する自動放送が流れ、バスは一般道を京都南インターへ。
23時56分に京都南インターを通過し、ここからは名神高速道路~新名神高速道路~伊勢湾岸自動車道~新東名高速道路~東名高速道路を経由して、神奈川県の大井松田インターまで高速道路をひた走ります。
乗車ログ②|草津PAで開放休憩 消灯前、唯一外に出られるタイミング
00時13分~00時23分 草津パーキングエリアで開放休憩
日付が変わって00時13分、唯一の開放休憩場所である名神高速道路・草津パーキングエリアに到着。
00時23分までの10分間、開放休憩となりました。
草津PAは、名神高速道路の中でも有数の広さと設備を誇るパーキングエリアです。
新名神高速道路との分岐点(草津ジャンクション)に隣接しているのも特徴です。
第二駐車場で開放休憩をするはずが・・・
南海バスの夜行高速バスは、基本的に第二駐車場で開放休憩を行います。
ところが、「サザンクロス」鎌倉線に限っては、このあと新名神高速道路に入る関係から、第一駐車場に停車して開放休憩を行います。
これは!と思い、売店で京都土産(生八つ橋など)を買い込みました。
バスも深夜走行に向けてひと休み。
乗務員の交代もこちらで行います。(写真はイメージです。)
00時30分 消灯
乗客が全員戻るとドアが閉められ、発車準備で5分ほど停車したのち草津PAを発車。
00時30分に消灯となりました。
朝05時20分に目を覚ますまで、ぐっすり眠ることができました。
乗車ログ③|朝の海を眺めながら小田原・湘南・横須賀へ
05時25分 小田原駅東口到着
車内灯が点灯したところで目を覚ますと、バスはすでに大井松田インターで高速を降り、小田原市街へ向かうところでした。
国道255号を小田原市中心部へ進みます。
05時25分、最初の降車停留所小田原駅東口に到着です。
こちらでは、5名ほどの乗客が下車していきました。(写真はイメージです。)
西湘バイパス|進行方向右手に相模湾が広がる
小田原駅東口からは国道255号・国道1号を経由し、05時34分に小田原インターへ。
ここから大磯東インターまで、西湘バイパスを走ります。
西湘バイパスは、小田原市と大磯町を結ぶ国道1号のバイパス(自動車専用道路)です。
海岸線ぎりぎりを走るため、ドライブルートとしても人気があります。
進行方向右手には、このような海岸線が車窓いっぱいに広がります。
もちろん、江の島も見えます。
朝の海を楽しむなら、大阪・京都発の便でC列(進行方向右側)を指定するのがおすすめです。
06時20分 藤沢駅南口到着
小田原駅東口を出て約1時間後の06時20分、藤沢駅南口に到着。
こちらでは2~3名が下車しました。
藤沢駅南口からは、県道32号(藤沢鎌倉線)~県道311号を走ります。
06時41分 鎌倉駅東口到着
藤沢駅南口から20分ほどで鎌倉駅東口に到着(06時41分)。
こちらでは3名が下車しました。
逗子海岸|横須賀経由になって加わった絶景区間
鎌倉駅東口からは県道21号を経て国道134号へ。
国道134号に出ると、右手に逗子海岸の風景が広がります。
この逗子海岸の風景は西湘バイパスに負けない景色なので、ぜひ朝の車内から眺めてみてください。
その後は県道311号(逗葉新道)を経て、07時02分に逗子インターから横浜横須賀道路へ。
ひと区間先の横須賀インター(07時05分)で降ります。
横浜横須賀道路(通称「横横道路」)は、横須賀市と横浜市保土ケ谷区を結ぶ国道16号の自動車専用道路で、交通量の多い有料道路です。
07時14分 京急横須賀中央駅前・07時20分 JR横須賀駅前到着
横須賀インターを降り、横須賀市中心部へ。
07時14分に京急横須賀中央駅前に到着します。
こちらでは、5名ほどの乗客が下車しました。
続くJR横須賀駅前には07時20分に到着。
乗降客をあまり見かけない停留所ですが、この日は2名が下車していきました。
JR横須賀駅前を出たバスは、横須賀インターへ戻るため、来た道をいったん引き返します。
時間のロスが気になるところですが、道路の構造上やむを得ないようです。
今回は16分ほどで横須賀インター(07時36分)に戻りました。
08時00分 終点・戸塚駅東口到着
横須賀インターから横浜横須賀道路を走り、07時41分に日野インターで降ります。
日野インターからは、都市計画道路の舞岡上郷線を進み、08時00分、バスは終点の戸塚駅東口(横浜市)に到着しました。
湊町バスターミナルから約10時間の旅が無事に終わりました。
今回(土曜の朝)は京急横須賀中央駅前07時14分、戸塚駅東口08時00分着とスムーズでした。
一方で、2024年の乗車時(月曜の朝到着)は、渋滞の影響で京急横須賀中央駅前07時28分、戸塚駅東口08時30分着と、今回より30分ほど遅い到着でした。
乗務員によると、平日は道路混雑の影響で遅れる場合があるとのこと。
平日の朝に横須賀・戸塚で予定を入れる場合は、時間に余裕を持っておきましょう。
なお、戸塚駅東口の京都・大阪行きのりばは、江ノ電バスの路線バスが発着する3番のりばです。
高速バス専用ののりばではないので、乗り場を間違えないようご注意ください。
乗客を降ろしたバスはすぐに回送表示に変わり、休息先の江ノ電バス湘南営業所へと向かっていきました。
長時間の運行、お疲れさまでした。
タイムラインまとめ(2026年10月2日 湊町バスターミナル発)
| 時刻 | できごと |
|---|---|
| 21時55分 | 湊町バスターミナル(なんばOCAT)発車 |
| 22時10分 | 南海なんば高速バスターミナル発車 |
| 22時37分 | 大阪駅前(桜橋口JR線高架下)発車 |
| 23時15分 | 高速京田辺発車 |
| 23時45分 | 京都駅八条口発車 |
| 00時13分~00時23分 | 草津PAで開放休憩(10分) |
| 00時30分 | 消灯 |
| 05時25分 | 小田原駅東口到着 |
| 06時20分 | 藤沢駅南口到着 |
| 06時41分 | 鎌倉駅東口到着 |
| 07時14分 | 京急横須賀中央駅前到着 |
| 07時20分 | JR横須賀駅前到着 |
| 08時00分 | 戸塚駅東口到着 |
よくある質問
Q.「サザンクロス」鎌倉線の途中休憩は何回?
乗客が降りられる開放休憩は、消灯前の草津PAでの1回のみです。
今回は00時13分から10分間でした。
消灯後は朝まで停まらないので、トイレや買い物は休憩中に済ませておきましょう。
Q.車内にトイレはある?
あります。車内中央の階段を下りた先にあります。
Q.車内で充電はできる?
全席の肘掛け下にUSBポートがありますが、コンセントはありません。
USBケーブルは各自で持参する必要があります。
Q.おすすめの座席は?
大阪・京都発の便なら、進行方向右側のC列がおすすめです。
朝、西湘バイパスからの相模湾や逗子海岸の景色を楽しめます。
まとめ:横須賀経由で新たな需要が? 逗子海岸の車窓もおすすめ
小田原と横須賀で降りる人が多かった
横須賀経由になってから全区間を乗り通したのは、2024年の夏に次いで今回が2度目ですが、今回も小田原駅と京急横須賀中央駅での降車が多かったのが印象に残りました。
小田原では、ライバル路線の「金太郎号」(近鉄バス・富士急モビリティの共同運行)より早く着けること、横須賀では大阪から乗り換えなしで移動できることが、利用者に評価されているのかもしれません。
週末は満席になることも:早めの予約がおすすめ
今回は週末ということもあり、車内は満席でした。
最近の予約状況を見ても、週末・繁忙期には満席になることが多い印象を受けます。
この路線の存在が、横須賀周辺を中心に少しずつ知られてきているのかもしれません。
はっきりしたことはデータを見ないと分かりませんが、車内の様子を見る限り、経路変更が新しい需要につながっているのでは、と感じました。
週末や連休に利用する場合は、早めの予約が安心です。
乗り心地とサービスは「いつものサザンクロス」
横須賀経由になって、車窓の見どころも増えました。
「朝目覚めると湘南の海」に加えて「朝目覚めると逗子海岸」も楽しめるようになり、逗子海岸の風景は個人的にとても気に入りました。
乗り心地とサービスは、いつもの南海バス「サザンクロス」。
ハイグレードシートに2020年式の日野セレガHDということもあり、快適に移動できました。
関西圏はもちろん、神奈川県側も湘南から小田原まで広くカバーし、ビジネスにもレジャーにも使える「サザンクロス」鎌倉線。
関西から湘南・横須賀への足として、また神奈川西部から関西への足として、これからも長く走り続けてほしい路線です。
機会がありましたら、ぜひ乗車してみてはいかがでしょうか。
乗車データ
- 乗車日:2026/10/02
- 乗車区間:湊町バスターミナル(なんばOCAT)→戸塚駅東口
- 座席:3列独立シート 08C席
- 運賃:片道9,440円
- 運行会社:南海バス
- 車両:日野/セレガHD(2PG-RU1ESDA)
- 年式:2020年式
- 所属:堺営業所
- 社番:735
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