関西と中越地方(柏崎・長岡・三条)を結ぶ唯一の直行夜行バス。
かつてのライバル「おけさ号」が運行を終えた今、この路線の重要性はますます高まっています。
本記事では、2026年1月の大雪直後に、起点であるJR堺市駅から終点の東三条駅までフル乗車。1.5時間に及ぶ渋滞遅延のリアルな記録から、可動式枕付きの3列独立シート、全席通路カーテン完備の車内設備まで、約700kmの旅路を徹底レポートします。
大阪堺・なんば・大阪駅前・京都と新潟県柏崎・長岡・三条を結ぶ夜行高速バス「堺・大阪・京都~柏崎・長岡・三条線」。
大阪府堺市に置く南海バスと新潟県長岡市に本社を置く越後交通の2社が共同で運行しており、南海バスは「サザンクロス」長岡線、越後交通は「三条・長岡~京都・大阪・堺線」という路線名称で運行しています。
南海バス「サザンクロス」長岡線 518(日野セレガHD)
かつては、大阪・京都~新潟の間を運行していた夜行高速バス「おけさ号」(阪急観光バス・新潟交通)とともに、関西と新潟を結ぶ主要夜行高速バスのひとつでしたが、「おけさ号」が事実上運行を終了したことで、現在は同区間における唯一の老舗夜行高速路線でもあります。
このブログでは、何度か「堺・大阪・京都~柏崎・長岡・三条線」の南海バス便「サザンクロス」長岡線をご紹介しましたが・・・・
▶2023年秋に乗車した南海バス「サザンクロス」長岡線の乗車記はこちら
▶2021年秋に乗車した南海バス「サザンクロス」長岡線の乗車記はこちら
南海なんば高速バスターミナルに停車中の南海バス「サザンクロス」長岡線518号車
実は先日、この路線に乗車する機会がありました。
しかも、乗車した日は記録的な大雪から数日経過していた日でした。
果たして無事に運行出来るのか・・・運行したとしてどれ位遅れるのか・・・トラブルへの懸念と不安を抱きながら、筆者は平日夜のJR堺市駅前へ向かったのでありました。
【基本情報】夜行高速バス「サザンクロス」長岡線の運行区間・所要時間・運賃まとめ
まずは、今回利用した路線の基本情報から。
- 路線名:サザンクロス(長岡線)/三条・長岡・柏崎~京都・大阪・堺線
- 運行会社:南海バス・越後交通
- 運行区間:JR堺市駅前 ・南海なんば高速バスターミナル~長岡駅東口・越後交通三条営業所
- 所要時間:11時間18分(所定)
- 運賃:7,190円~11,380円(乗車区間により運賃が異なります。)
- 運行本数:1日1往復運行
関西と新潟県を結ぶ唯一の老舗夜行高速路線です。
3列シートで快適に移動出来ることから、週末や繁忙期を中心に人気が高く、満席になることも少なくありません。
【比較】大阪~新潟の移動手段|新幹線・飛行機・夜行バスどれが安い?
| 移動手段 | 運賃(片道) | 所要時間 | シートタイプ |
|---|---|---|---|
| 夜行高速バス「サザンクロス」長岡線+JR信越本線 | 9,490円~12,100円(東三条~新潟間JR線普通運賃を含む) | 約11時間(東三条~新潟間JR線移動時間を含む) | 3列独立シート(夜行バス) |
| JR新幹線(東京乗り換え) | 22,730円 ※普通車指定席 |
約5時間 | 2+2列シート(グリーン車)、3+2列シート(普通車) |
| 飛行機 | 最安12,870円~ | 約1時間 | 2+2列シート、3+3列シート など(機種によって異なります。) |
※夜行高速バス「サザンクロス」長岡線は大阪なんば~東三条駅前を利用したものと想定しています。
※飛行機はクレジットカード決済時料金です。
※最新の料金・販売有無は、こちらから予約画面に進み、別途ご確認ください。
関西と新潟県柏崎・長岡・三条をダイレクトに結ぶこの路線は、乗り換え必須なJR新幹線や飛行機と比較しても運賃が安くに抑えられる他、夜行バスは寝ながら移動出来るため、コスパ重視派の方にもかなり人気があります。
寝ながら移動出来る分、現地での滞在時間を最大化出来るのが、この路線の利用する上でのメリットだと筆者は考えます。
旅の始まりは堺市内のJR主要駅
やって来たのは、大阪府堺市堺区にあるJR阪和線堺市駅。
特急列車を除く全ての種別の列車が停車する主要駅でもあります。
堺市内の鉄道駅といえば、南海電鉄堺駅や堺東駅が実質的代表駅になっていますが、JR堺市駅に停車する関空・紀州路快速系統の列車は大阪駅(梅田地区)と直結しており、JR京都線・神戸線への乗り換えや特急列車との接続も良いため、遠距離利用においてはむしろこちらのJR堺市駅の方が便利であったりもします。
<参考>南海電鉄堺東駅前
南海バス「サザンクロス」長岡線は、JR堺市駅前(阪和堺市駅前)を起終点としています。
最近は南海堺駅前から乗車することが多いのですが、今回は起終点のJR堺市駅前から乗車します。
駅前ロータリーには、高速バス専用のバス停が設置されています。
かつては、東京駅行きや鎌倉行きなど複数の夜行高速バスが停車していたJR堺市駅前も、現在停車する夜行高速バスは、この「サザンクロス」長岡線のみ。
寂しくなりました。
JR堺市駅前の発車時刻は20時40分。
南海バスの一般路線バスも発着することから、バスの入線は発車時刻間際となります。
到着後、すぐに乗車改札が始まります。
南海バス「サザンクロス」長岡線の外観・車内を改めてご紹介
以前の乗車記でも触れていますが、ここで、今回乗車した車両を改めて詳しく見ていきましょう。
今回乗車した車両はこちら↓でした。
南海バス堺営業所所属518号車(日野セレガHD QRG-RU1ESBA)です。
2015年に導入された夜行高速バス「サザンクロス」専用車両で、元々は「大阪・京都~小田原・藤沢・戸塚線」(「サザンクロス」湘南線)や「神戸・大阪~橋本・立川線」(「サザンクロス」立川線)に投入されていましたが、現在は「サザンクロス」長岡線の他、「神戸・大阪・京都~長野・湯田中・飯山・野沢温泉線」(「サザンクロス」長野線)、「大阪・京都~小田原・藤沢・戸塚線」(「サザンクロス」湘南線)で活躍しています。
南海バス「サザンクロス」の車内設備をチェック
車内は、座り心地が良さそうなシートを配置した3列独立シート28人乗り夜行高速仕様となっています。
大理石調の床と茶系のチェックが入ったシートモケットが特徴で、全席独立シートかつ通路カーテン完備という点は、3列シートの夜行高速用車両の中でもハイグレードな印象を与えてくれます。
シートは、西武バスの新型車両やとさでん交通「ブルーメッツ号」新型車両などで採用されている天龍工業製の可動式枕付きシートを採用。
リクライニング角度もかなり深く、長時間の移動を快適に過ごすことが出来ます。
今回、筆者はトイレ前の3C席を選択。
後ろを気にせずにシートを倒せるので、ゆったりと移動出来そうです。
もちろん、レッグレストやフットレスト(足置き台)も完備。
足置き台の裏(背面)ポケットには、紙スリッパが入っています。
前座席背面のシートポケットには、各種リーフレットとエチケット袋が入っています。
モバイル充電用のコンセントは、各座席の肘掛け下に設置。
携帯電話・スマートフォン充電用のため、パソコンなどの消費電力が大きい電子機器の接続は控えましょう。(車両故障の原因となる場合があります。)
先述の通り、南海バス「サザンクロス」は全席通路カーテン付き。
プライバシー空間を確保しているという点で評価したいです。
車内では無料のWi-fiサービスも実施。
簡単な設定でインターネットが楽しめます。
トランクに荷物を預けると、乗務員から写真の引換券が渡されます。
降車時の荷物受け取りの際に必要ですので、無くさない様にしましょう。
トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
消灯前に休憩停車がありますが、いざという時にありがたい設備です。
以上、南海バス「サザンクロス」長岡線に使用される車両をご紹介しましたが、他社の3列独立シート夜行用車両と比較してハイグレードという印象を持ちました。
この車両、そして車内設備であれば、道中快適に寝ながら移動出来そうです。
途中休憩は消灯前の1回のみ 休憩で下車する筈が・・・ 大渋滞で大幅遅延
20時40分 JR堺市駅前発車
定刻にJR堺市駅前を発車したバスは、南海堺東駅前、南海堺駅前にて乗車扱いを行い、堺市内から大和川を渡り、大阪市内に入ります。
南海電鉄堺駅前(写真はイメージです。)
堺市内から乗車したのは私1人のみでしたが・・・
30分程走行した湊町バスターミナル(なんばOCAT)でも乗車客は無く、
私以外のお客様が最初に乗車して来たのは、湊町バスターミナルから10分程走行した南海なんば高速バスターミナルでした。
南海なんば高速バスターミナルは、南海電鉄なんば駅に直結しており、「スイスホテル南海大阪」5階玄関前が高速バスのりばになっています。
鉄道駅に直結しているのは良いのですが、初めての利用だと場所が少し分かりにくいかもしれません。
南海なんば高速バスターミナルでは、数名の乗客が乗車しました。(写真はイメージです。)
21時45分、バスは定刻に南海なんば高速バスターミナルを発車。
スロープを降り、再度国道26号に出た後、湊町ランプから阪神高速に入り出入橋ランプまで走行、次なる乗車場所の大阪駅前(桜橋口JR線高架下)へ向かいます。
22時00分過ぎ、大阪駅前(桜橋口JR線高架下)に到着。
乗車扱いのためにしばらく停車します。
こちらでは多くの乗客が乗車し、車内は7~8割の座席が埋まるほどの盛況ぶりになります。
22時10分、大阪駅前を発車したバスは、すぐ近くの梅田ランプから再び阪神高速に入ります。
梅田ランプから阪神高速道路を走行したバスは、東大阪ジャンクションから近畿自動車道へ。
更に門真ジャンクションからは第二京阪道路に入り、京都市内へと向かいます。
この後、高速京田辺にて乗車扱いのために停車し、23時03分に上鳥羽ランプを通過。
定刻より若干早い23時10分過ぎに京都駅八条口(ホテル京阪前)に到着します。
こちらで最後の乗車扱いを行います。
23時20分、最後の乗車扱いを終えたバスは定刻に京都駅八条口(ホテル京阪前)を発車。
発車後、自動音声による案内と乗務員による補足説明が行われます。
言葉数は決して多くないものの、最低限の的確な案内が南海バスの特徴といったところでしょうか。
23時30分過ぎ、京都南インターを通過し名神高速道路へ。
その直後、車内は完全消灯され、深夜運行体制に入ります。
ここから先、バスは名神高速道路~北陸自動車道を経由し、新潟県越後地方へ向かいます。
00時00分~00時10分 菩提寺パーキングエリアにて開放休憩
日付が変わる直前、バスは唯一の開放休憩場所である名神高速道路菩提寺パーキングエリアに到着します。
こちらでは、10分間の開放休憩となりました。
以前に乗車した時は、草津パーキングエリア第二駐車場にて開放休憩を行っていましたが、混雑が激しいからか、最近は菩提寺パーキングエリアで休憩する場合が多いように思えます。
菩提寺パーキングエリアはトイレ、自販機の他、ショップ、スナックコーナーが整備されていますが、ショップやスナックコーナーが深夜時間帯は開いていませんので、飲食物や土産物類は乗車前に購入しておくことをお勧めします。
本来であればこちらで下車して飲み物を購入する予定でしたが、消灯後すっかり夢の中へ行ってしまったため、休憩停車に気付くことはありませんでした。
休憩地の菩提寺パーキングエリアは、この様なパーキングエリアです。(写真はイメージです。)
バスもしばしのひと休みです。
乗務員交代もこちらで行います。(写真はイメージです。)
06時01分 曽地到着 / 06時53分 長岡駅東口到着
目を覚ましてカーテンを開けると、バスは上越ジャンクションを通過し、長岡、三条へ向けて北陸自動車道を走行していました。
この日は、上越木田、上方、柏崎駅前、西山、五百刈の各バス停が降車客がいないため通過となり、最初に停車したのは曽地バス停でした。
06時01分、曽地バス停に到着。
こちらでは乗客2名が下車していきました。
バスは順調に進み、長岡ジャンクションから関越自動車道に入ってすぐの長岡インターを降りた06時28分、長岡インターバス停に到着します。
通常はインター併設のバスのりばにて乗降扱いを行いますが、大雪の影響でバス停へ繋がる車路が除雪されていないとのことで、今回はインターを降り一般道へ出たすぐの側道で降車扱いとなりました。
長岡インターバス停では乗客2名が下車していきました。
外は次第に夜が明けていきますが、先日の大雪の影響で長岡市内は早朝から渋滞が始まっていました。
雪の信濃川を渡ります。
ノロノロ運転の中、バスは長岡市中心部へ。
まもなく長岡駅東口に到着です。
06時53分、定刻より3分早くバスは長岡駅東口に到着。
こちらでは10名以上の乗客が下車していきました。
09時12分 東三条駅前到着
と、長岡駅東口まで順調に走行した南海バス「サザンクロス」長岡線でしたが・・・実はこの後、長岡駅東口から国道バイパスに出たところで大渋滞(ノロノロ運転)に巻き込まれます。
- 06時53分 長岡駅東口到着(ほぼ定刻)
- 07時30分頃 国道バイパスで完全停止
- 08時13分 中之島見附IC通過(1時間以上の遅れ)
- 09時12分 東三条駅前到着(1時間25分遅れ)
その渋滞は、何と、五百刈バス停から先の中之島見附インターまで続き、中之島見附インターを通過したのは08時13分。
この時点で1時間以上の遅れは避けられない状況となりました。
中之島見附インターから北陸自動車道に入ったバスは順調に走行、快調な走りを見せます。
栄バス停で降車扱いを行い、08時33分、三条燕インターを通過しますが・・・
三条燕インター出口付近から、今度は三条市内の渋滞に巻き込まれます。
再び信濃川を渡ります。
09時前になって車が少し流れる様になりましたが、この時点ですでに1時間以上の遅れに。
それでも少しづつ進み、09時12分、バスは定刻1時間25分遅れで東三条駅前に到着しました。
東三条駅前では、私を含め残りの乗客全員が下車。
越後交通三条営業所へ回送されていくバスの後姿を見届け、次なる場所へと向かうのでありました。
それにしても、渋滞の中を安全に目的地まで届けてくださった乗務員の方々には、感謝の言葉しかありません。
本当にありがとうございました。
夜行高速バス「サザンクロス」長岡線のメリット・デメリット
いま一度、夜行高速バス「サザンクロス」長岡線のメリット・デメリットをおさらいしておきましょう。
夜行高速バス「サザンクロス」長岡線のメリット
- 関西~長岡・柏崎・三条を「直通」で移動出来る
- 夜行移動なので時間を有効活用出来る
- 運賃が比較的安い
- 3列独立シートで快適
- 関西~新潟中越間の貴重な夜行路線
夜行高速バス「サザンクロス」長岡線のデメリット
- 移動時間が長い
- 乗り場が少し分かりにくい(特に大阪なんば)
- バスに慣れていないと眠りにくい
- 途中休憩が少なめ
- 冬季は遅延リスクがある
大雪による遅延リスクと「おけさ号」休止後の大阪〜新潟・長岡線の重要性
以上、2026年1月に南海バス「サザンクロス」長岡線に乗車した時の模様をお届けしました。
新潟県内に入った途端、ある程度の遅れは覚悟してはいましたが、1時間半近くも遅れるとは・・・これはちょっと予想外でした。
筆者自身は時間に余裕を持たせたスケジュールだったので問題ありませんでしたが、この後の予定があった方は気が気ではなかったのではないでしょうか。
冬季はこうした大幅な遅延も起こり得ると、事前予測の重要性を改めて痛感しました。
冬場に長岡・三条から先の乗り継ぎがある場合は、最低でも2時間程度の余裕は見た方が安全ですし、長岡駅東口で下車して、JR在来線や上越新幹線で移動する方法が、確実に時間も読めると思います。
併せて、菩提寺PA以降は下車休憩がないため、朝の渋滞に備えて飲み物と軽食は必ず事前に買っておくとともに、外は極寒でも車内は暖房がしっかり効いているため、脱ぎ着しやすい格好で乗車すると良いでしょう。
この路線には約10か月ぶりの乗車でしたが、閑散期の平日にも関わらず7~8割ほど埋まった車内を見る限り、非常に需要の高い路線であることを再確認しました。
何度も書いていますが、大阪・京都~新潟線「おけさ号」の運行休止以降、週末や繁忙期を中心に「サザンクロス」長岡線と「三条・長岡~京都・大阪線」の予約がかなり取りにくくなっているのは周知の事実であり、今回乗車した便の利用客層を見ても、若い方からご高齢の方まで幅広く、この路線の存在が(特に地元で)かなり浸透している印象を受けます。
これはもうコロナ禍前の水準にまで利用客数が戻っているのではないか・・・そして、この路線の盛況ぶりは今後もしばらく続くのではないか・・・そう感じた今回の南海バス「サザンクロス」長岡線の乗車でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2026/01/26
- 乗車区間:
JR堺市駅前→東三条駅前 - 運行会社:南海バス
- 車両:日野/セレガHD(QRG-RU1ESBA)
- 年式:2015年式
- 所属:堺営業所
- 社番:518
(最終更新日:2026年03月12日)
▶ブログでご紹介した過去の南海バス「サザンクロス」乗車記はこちら



