西鉄高速バス&日田バス「ゆふいん号」 簡単な乗車記

昼行高速バス,高速バス乗車記

国内屈指の人気温泉地であり、年間約300万人(※)もの観光客が訪れる大分県由布院(湯布院)温泉
特にここ数年来においては、海外からの観光客(インバウンド客)が急増しており、その効果は、福岡と湯布院を結ぶ交通機関に影響をもたらしています。
※:平成28年由布市観光動態調査の数字より。

福岡と湯布院を結ぶ交通機関として有名なのが、JR九州が運行する観光特急「ゆふいんの森」と特急「ゆふ」であります。(写真はイメージです。)

JR九州「特急ゆふいんの森」

JR九州「特急ゆふ」

ところが、観光特急「ゆふいんの森」と特急「ゆふ」の運行経路であるJR久大本線が、2017年7月九州北部豪雨の影響で光岡(てるおか)~日田間が不通となっており、現在は運行経路、運行区間を変更して臨時運行している状況です。
臨時運行中の現在、鉄路を利用して湯布院へ訪れる観光客もそれなりにいるようですが、福岡~湯布院間で最速でも3時間半以上かかっていることから、自然災害による影響とはいえ、決して利便性が良いとはいえません。
そこで注目されているのが、福岡~湯布院間をダイレクトで結ぶ高速バス「ゆふいん号」です。
日田バス「ゆふいん号」 486 亀の井バス湯布院車庫にて
由布院(湯布院)温泉を訪れるインバウンド客が増加して以降、「ゆふいん号」の利用客も急増。
そこに九州北部豪雨によるJR久大本線不通の影響で、混雑に拍車がかかっている状況です。
現在は、平日でも満席便が多く発生する他、週末や繁忙期時の続行便運行が常態化していると聞きます。

私自身、高速バス「ゆふいん号」については、約20年前に乗車して以来久しく利用することが無かったのですが、今般、九州訪問の空き時間を見つけて久しぶりに「ゆふいん号」に乗車してみました。
そこで見た光景は、20年前では考えられなかった「ゆふいん号」の盛況ぶりと、大きく変わった湯布院の街並みでした。

利用客増加で大幅増便の「ゆふいん号」

ここで、高速バス「ゆふいん号」の歴史を簡単にふり返ってみましょう。
元々は、福岡~湯布院・九重間の都市間バスとして、1982年に運行を開始しました。
その後、運行経路の変更や運行会社の変更などを経て、暫くは日田バスと亀の井バスの2社共同運行路線として運行を続けます。
一時期、亀の井バス運行による湯布院経由の福岡~別府(北浜)系統も新設されましたが、2010年に廃止されています。
2011年には臨時便増発と博多港国際ターミナルへの延長、由布院駅前~別府北浜間の復活などを試みる他、2013年にはnimocaの導入、2014年には福岡空港国際線ターミナルへの乗り入れや九重インター停留所の新設などを行います。
転機が訪れたのは、ここ数年来のインバウンド客増加による利用者の増加(急増)です。
利用客増加に対応するために、2015年から増便を繰り返します。
併せて、高速基山~由布院駅前バスセンター間をノンストップで走破するノンストップ便も新設。
増便する度に利用客も増加するという現象が今でも続いています。
その後の西鉄高速バスの参入や福岡側の始発地変更(博多バスターミナル→西鉄天神高速バスターミナル)などを経て、現在は西鉄高速バス・日田バス・亀の井バスのにしてつグループ3社が、ノンストップ便と各停便合わせて1日19往復(西鉄高速バス2往復、日田バス7往復、亀の井バス10往復)体制で運行しています。
亀の井バス「ゆふいん号」 356
尚、「ゆふいん号」増発に際しては、福岡~大分線「とよのくに号」各停便の廃止(日田バス)や大分~長崎線「サンライト号」の運行撤退(日田バス・亀の井バス)といった既存高速路線の「選択」と「集中」も行っています。

インバウンド客が目立つ「ゆふいん号」車内

やって来たのは、福岡市中央区天神に位置する西鉄天神高速バスターミナル。(写真はイメージです。)
高速バス「ゆふいん号」はこちらを始発地としています。
先述の通り、以前はJR博多駅前の博多バスターミナルが始発地でしたが、博多駅からの所要時間短縮と定時制向上が目的で、2017年4月1日に始発地が変更されました。

今回は、あくまで「ゆふいん号」の現状を見るという目的なので、福岡~湯布院(由布院駅前バスセンター)間を往復することにします。
往路はこちらのバス↓を利用しました。
西鉄高速バス「ゆふいん号」 8529

西鉄高速バス「ゆふいん号」 8529 車内

西鉄高速バス「ゆふいん号」 8529 シート

西鉄高速バス「ゆふいん号」 8529 西鉄天神高速バスターミナル改札中
西鉄高速バス担当のノンストップ便です。
車両は、かつて日本最長路線夜行高速バス「Lions Express」(ライオンズエクスプレス)の予備車両や「はかた号」(福岡・北九州~東京新宿線)4列続行用車両として運行していた日野セレガHD(LKG-RU1ESBA)。
車内は、4列シート38人乗りの高速路線仕様となっています。
車内最後部の乗務員仮眠室が、「Lions Express」(ライオンズエクスプレス)予備車両時代の名残といえるでしょうか。
各座席にはコンセントが装備されている他、Wi-fiサービスが提供されています。
Wi-fiサービスは、西鉄系高速バスでは「ゆふいん号」が最初に導入されたとか。
今後導入する路線も増やしていくのでしょうね。
因みに、「Lions Express」(ライオンズエクスプレス)予備車両時代は、この様な外観を纏っていました。
西鉄高速バス「Lions Express」予備車両 8529

バスは西鉄天神高速バスターミナルを発車後、15分程で博多バスターミナルに到着。
天神では私を含めて10名程しか乗車していませんでしたが、博多バスターミナルで大量の乗車があり、乗車率は8割程になります。
福岡空港国際線ターミナルと高速基山で残りの乗客を乗せ、ほぼ満席になったバスは、九州自動車道から大分自動車道へ。
改めて車内を見回してみますが、とにかくインバウンド客が目立ちます。
車内で流れる会話も、ハングル語に中国語、英語と、これが本当に日本の高速バスの車内かと思わせる位に国際色豊かです。
後で聞いたところ、最近は「SUNQパス」を利用するインバウンド客も多いとか。
となると、メインは九州から程近い韓国からの観光客が多いのではと推測するのですが、長年の販促効果が表れている証拠かもかもしれません。

その後もバスは特段渋滞に巻き込まれることもなく、高速基山から1時間20分程でバスは終点の由布院駅前バスセンターに到着しました。
西鉄高速バス「ゆふいん号」 8529 由布院駅前バスセンター到着

由布院駅前周辺の街並みです。
由布院駅前の街並み その1

由布院駅前の街並み その4
20年前とはすっかり街並みが変わってしまいましたね。
お洒落な店もかなり増えた印象を受けます。
そして、街を歩く観光客もインバウンド客が多いです。
もしかすると日本人よりも多いのでは・・・と錯覚する程です。
バスターミナルや到着したバスをバックに記念撮影する観光客もちらほら見かけました。

由布院駅前バスセンターの隣には土産物屋があるのですが、その土産物屋の奥にある足湯施設からは・・・
亀の井バス 湯布院車庫 その2
柵が少し邪魔ではありますが、なんと亀の井バス湯布院車庫が丸見え。
つまり、バスを見ながらゆっくり足湯に浸かれるのです。
バスファンであれば、一度は体験してみてはいかかでしょうか。

由布院駅周辺を散策していると、亀の井バスの別府~湯布院間観光快速バス「ゆふりん」が出発していく姿を見ることが出来ました。
亀の井バス 観光快速バス「ゆふりん」 ・402 その2
残念ながら今回は乗車することが出来ませんでしたが、次回訪問時は是非とも乗車してみたいですね。

帰りの時間が来たところで、由布院駅前バスセンターに戻ります。
亀の井バス 由布院駅前バスセンター

復路はこちらのバス↓を利用しました。
日田バス「ゆふいん号」 486

日田バス「ゆふいん号」 486 正面

日田バス「ゆふいん号」 486 由布院駅前バスセンター改札中 その1

日田バス「ゆふいん号」 486 由布院駅前バスセンター改札中 その2
日田バス担当の各停便です。
車両は、西工E-Ⅲボディを架装した日産PKG-RA274RBN。
西鉄からやって来た車両で、西鉄在籍時代は福岡~熊本線「ひのくに号」や福岡~佐世保線「させぼ号」など、主に中距離高速路線で活躍していました。
車内は4列シート40人乗りの昼行高速路線仕様。
残念ながらコンセントは装備されていませんが、Wi-fiサービスが提供されています。

由布院駅前バスセンターでほぼ満席になったバスは、道の駅ゆふいん(湯布院インター前)、九重インター、玖珠インター、高速天瀬高塚で乗車扱いのために停車。
40席満席になったところで、バスは一路大分自動車道を西へひた走ります。
改めて車内を見回すと、往路以上にインバウンド客の割合が高い様です。
所々で聞こえる会話も外国語ばかり。
日本人は私だけなのでは・・・という程のアウェイ状態です。

高速日田で乗務員交代と降車扱いの停車を行った後、高速甘木、高速小郡大板井は降車客がおらずに通過し、鳥栖ジャンクションから九州自動車道に入った直後の高速基山では1名が下車。
その後の筑紫野(二日市温泉入口)は降車客ゼロで通過し、由布院駅前バスセンターを発車して約1時間45分でバスは福岡空港国際線ターミナルに到着しました。
日田バス「ゆふいん号」 486 福岡空港国際線ターミナル到着
私を含めて5名程の乗客を降ろし、バスは福岡の街へと向けて走り去っていくのでありました。

この盛況ぶりはいつまで続くのか・・・

というわけで、西鉄バスと日田バスの「ゆふいん号」の様子をご紹介しました。
一時期よりは落ち着いているともいわれているインバウンド客の増加で、利用客を大きく増やしている高速バスがいくつかあると聞いていますが、元々利用の多い富士五湖絡みの高速路線や高山発着の高速バスは別として、今回ご紹介した「ゆふいん号」程インバンド増加の影響を受けた高速バスも珍しいのでは・・・という印象を受けました。
と同時に、今回久しぶりに「ゆふいん号」を利用してみて、同路線の利便性を改めて認識しました。
昔の「ゆふいん号」を知る者にとっては、正直いって今の盛況ぶりが信じられないのですが、不通になっているJR久大本線が復旧までにしばらく時間を要することなどを考慮すると、この盛況ぶりは暫く続くのではないかと思いました。
一方で、「観光需要は水物」という言葉もある様に、国の経済状況や政治状況(有事なども含む)などに左右されやすい側面もあります。
特にここ最近は北朝鮮情勢が緊迫の意度合いを増しており、状況如何では国全体の観光に大打撃を与えるということも考えなくてはなりません。
バスは鉄道と違って需要に対しての増減便対応がしやすいというのもありますが、これまで以上の地元住民に対する利用促進や国内からの観光客に対する「ゆふいん号」利用促進など、一時期のインバウンドブームだけに頼らない施策を打ち出していくことも今後必要なのではないのかとも感じました。

いうまでもなく、「ゆふいん号」の良さは、本数の多さと福岡から約2時間で湯布院へ移動出来る速達性、そして運賃の安さです。
これら良い点に加えて、今後どれだけより良いサービスが提供できるか、そしてその良さがどれだけに人に伝わり利用していただけるか・・・ここに「ゆふいん号」の将来がかかっている様な気がします。
先述の通り、平日でも満席便が多く発生する他、週末や繁忙期時の続行便運行が常態化している「ゆふいん号」ではありますが、現状に甘えることなく、今後も利用者目線に立ったサービスを提供し続けることを、一利用者として切に願いたいものです。

西鉄高速バス「ゆふいん号」 8529 由布院駅前バスセンター到着 その2


【乗車データ】 
  • 乗車日:2017/09/24
  • 乗車区間:
    西鉄天神高速バスターミナル→由布院駅前バスセンター
  • 運行会社:西鉄高速バス
  • 車両:日野/セレガHD(LKG-RU1ESBA)
  • 年式:2011年式
  • 所属:福岡支社
  • 社番:8529

【乗車データ】 
  • 乗車日:2017/09/24
  • 乗車区間:
    由布院駅前バスセンター→福岡空港国際線ターミナル
  • 運行会社:日田バス
  • 車両:日産/PKG-RA274RBN(西工E-Ⅲ)
  • 年式:2007年式
  • 所属:本社(日田営業所)
  • 社番:486

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