広島電鉄「グランドアロー」(広島~松江線)普通便 乗車記
『出雲地区の一畑バスと一畑電車と出雲大社』の続きになります。
一畑バスで出雲大社詣でを済ませ、一畑電車で松江へ移動した私。
松江からは、老舗の陰陽連絡線の一つである広島~松江間の高速バス「グランドアロー」で広島へと移動します。(写真はイメージです。)
半世紀以上の歴史を誇る広島~松江間都市間バス。
私自身、この路線に乗車するのは約20年ぶりなのですが、この20年間で大きく変わった姿を目にすることになるのです。
広島~松江間の都市間バスは、1950年に一畑電気鉄道(現:一畑バス)が一般道経由の直通急行バスとして運行を開始したのが始まりです。
当時の国鉄が運行していた「ちどり号」の影響を受けた為、一旦路線を休止しますが、1958年に運行を再開。
後に広島電鉄も運行に参入し、2社による運行になります。
当時は夜行のみの運行でしたが、その後、昼行も運行開始し、1972年3月からは昼行便に一本化されます。
1986年5月、特急・急行バス松江線のうち2往復を広島自動車道・中国自動車道経由の高速バスに変更。
その後は、ノンストップ便の新設や高速道路延伸による所要時間の短縮、ノンストップ便の拡大などを経て、現在はノンストップ便9往復、特急便6往復、普通便3往復の1日18往復体制で運行しています。
この様に、実に半世紀以上の歴史を誇る広島~松江間都市間バス。
現在も、両都市を結ぶ唯一の公共交通機関として、多くの方に重用されています。
広島~松江線「グランドアロー」は、全便松江駅を発着します。
かつては、一畑電車松江しんじ湖温泉駅を起終点としていましたが、現在は一部の便のみの乗り入れとなっており、多くの便はJR松江駅発着となっています。
私が今回乗車したのは、JR松江駅12時00分発の広島駅新幹線口行き普通便。
こちらの車両↓に乗車しました。 2014年式の三菱エアロエース(QRG-MS96VP)です。
同社のオリジナルカラーとの組み合わせが何よりも新鮮ですが、意外にも合っていると感じるのは私だけでしょうか。
車内は、後部パウダールーム完備の4列シート36人乗り昼行仕様となっています。
各座席にはコンセントも完備。
所要3時間程度の便にしてはハイグレードな設備を有しています。
20年前に乗車した時は、トイレなしの車両であっただけに、この変わり様には正直驚きました。
それもそのはずで、実は広島~松江間においては、同業他社が新規参入を狙っているとも噂されており、特に広島電鉄側では危機感を持っているともいわれています。
そこで、最新型車両を積極的に導入してサービスレベルを上げることで、既存客の囲い込みを図ろうという事業者側の意図が見え隠れします。
12時00分、バスは定刻にJR松江駅を発車します。
松江市内を走行後、松江西インターから山陰自動車道に入り、山陰自動車道~松江自動車道~中国自動車道~広島自動車道を経由して広島へと向かいます。
宍道ジャンクションを通過したバスは、進路を松江自動車道に変え、南下します。
途中、斐伊川に沿って走行します。
雪が残る斐伊川沿いの風景も美しいですね。
13時38分、三次ジャンクションを通過したバスは中国道へ進路を変えます
13時45分、三次インターバス停に到着。
こちらでは数名が下車し、代わりに1名乗車して来ます。
松江自動車道でもそうでしたが、途中のバス停で乗降があるのも、普通便(各停便)ならではの光景です。
13時55分、バスは休憩場所である江の川パーキングエリアに到着します。
こちらでは約10分間の開放休憩時間が設定されており、殆どの乗客がバスを降りてトイレや買い物、一服などを済ませていきます。
14時05分、乗客が全員揃ったところで、バスは発車します。
中国自動車道を千代田ジャンクションまで走行し、千代田ジャンクションからは広島自動車道に入ります。
14時43分、広島西風新都インターを通過し、ここからは一旦一般道を走行します。
14時58分、定刻より8分遅れでバスはアストラムライン大塚駅に到着。
こちらでは3名が下車していきました。
その後バスは、沼田ランプから広島高速に入り、数分走行した中広ランプで降ります。
15時09分、広島バスセンターに到着。
中心街ということもあり、こちらでは半数以上の乗客が下車していきます。
交通量が多い広島市内を走行し、合同庁舎前を経由したバスは、15時23分、定刻4分遅れで終点広島駅新幹線口(マックスバリュ前)に到着しました。
各停便とはいえ、松江から広島まで約3時間20分・・・あっという間の都市間バスの旅でした。
今回、約20年ぶりに広島~松江間都市間バス「グランドアロー」に乗車しましたが、平日にもかかわらず定員(36名)の半数以上乗車があったのには正直驚きました。
それだけ、陰陽間の移動手段として都市間バスの利用が根付いているということなのでしょうが、一方で松江自動車道の開通で広島~松江間が高速道路一本で繋がった以上、(今までもそうでしたが)鉄道が出る幕は殆どないなぁと改めて感じました。
強いてライバルになるとすれば、やはり自家用車でしょうか。
それだけに、今後は自家用車移動に対抗出来るだけの「都市間バスとしての魅力」をさらに上げていく必要があるのかもしれません。
車両サービスの更なる改善や、パークアンドライドの充実、変動制運賃の拡大など、施策はまだまだ残されていると思います。
半世紀以上に渡り、広島~松江の間を結び続けている広島~松江間都市間バス。
沿線地域の過疎化が急速に進む中、同路線が今後どの様に推移していくのか・・・是非とも注目したいですね。
【乗車データ】
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一畑バスで出雲大社詣でを済ませ、一畑電車で松江へ移動した私。
松江からは、老舗の陰陽連絡線の一つである広島~松江間の高速バス「グランドアロー」で広島へと移動します。(写真はイメージです。)
半世紀以上の歴史を誇る広島~松江間都市間バス。
私自身、この路線に乗車するのは約20年ぶりなのですが、この20年間で大きく変わった姿を目にすることになるのです。
半世紀以上の歴史を誇る老舗都市間路線
ここで、広島~松江間都市間バスの歴史について、簡単に振り返っておきましょう。広島~松江間の都市間バスは、1950年に一畑電気鉄道(現:一畑バス)が一般道経由の直通急行バスとして運行を開始したのが始まりです。
当時の国鉄が運行していた「ちどり号」の影響を受けた為、一旦路線を休止しますが、1958年に運行を再開。
後に広島電鉄も運行に参入し、2社による運行になります。
当時は夜行のみの運行でしたが、その後、昼行も運行開始し、1972年3月からは昼行便に一本化されます。
1986年5月、特急・急行バス松江線のうち2往復を広島自動車道・中国自動車道経由の高速バスに変更。
その後は、ノンストップ便の新設や高速道路延伸による所要時間の短縮、ノンストップ便の拡大などを経て、現在はノンストップ便9往復、特急便6往復、普通便3往復の1日18往復体制で運行しています。
この様に、実に半世紀以上の歴史を誇る広島~松江間都市間バス。
現在も、両都市を結ぶ唯一の公共交通機関として、多くの方に重用されています。
広島~松江間を約3時間で結ぶ速達都市間バス
やって来たのは、JR松江駅バスロータリーの高速バスのりば。広島~松江線「グランドアロー」は、全便松江駅を発着します。
かつては、一畑電車松江しんじ湖温泉駅を起終点としていましたが、現在は一部の便のみの乗り入れとなっており、多くの便はJR松江駅発着となっています。
私が今回乗車したのは、JR松江駅12時00分発の広島駅新幹線口行き普通便。
こちらの車両↓に乗車しました。 2014年式の三菱エアロエース(QRG-MS96VP)です。
同社のオリジナルカラーとの組み合わせが何よりも新鮮ですが、意外にも合っていると感じるのは私だけでしょうか。
車内は、後部パウダールーム完備の4列シート36人乗り昼行仕様となっています。
各座席にはコンセントも完備。
所要3時間程度の便にしてはハイグレードな設備を有しています。
20年前に乗車した時は、トイレなしの車両であっただけに、この変わり様には正直驚きました。
それもそのはずで、実は広島~松江間においては、同業他社が新規参入を狙っているとも噂されており、特に広島電鉄側では危機感を持っているともいわれています。
そこで、最新型車両を積極的に導入してサービスレベルを上げることで、既存客の囲い込みを図ろうという事業者側の意図が見え隠れします。
12時00分、バスは定刻にJR松江駅を発車します。
松江市内を走行後、松江西インターから山陰自動車道に入り、山陰自動車道~松江自動車道~中国自動車道~広島自動車道を経由して広島へと向かいます。
宍道ジャンクションを通過したバスは、進路を松江自動車道に変え、南下します。
途中、斐伊川に沿って走行します。
雪が残る斐伊川沿いの風景も美しいですね。
13時38分、三次ジャンクションを通過したバスは中国道へ進路を変えます
13時45分、三次インターバス停に到着。
こちらでは数名が下車し、代わりに1名乗車して来ます。
松江自動車道でもそうでしたが、途中のバス停で乗降があるのも、普通便(各停便)ならではの光景です。
13時55分、バスは休憩場所である江の川パーキングエリアに到着します。
こちらでは約10分間の開放休憩時間が設定されており、殆どの乗客がバスを降りてトイレや買い物、一服などを済ませていきます。
14時05分、乗客が全員揃ったところで、バスは発車します。
中国自動車道を千代田ジャンクションまで走行し、千代田ジャンクションからは広島自動車道に入ります。
14時43分、広島西風新都インターを通過し、ここからは一旦一般道を走行します。
14時58分、定刻より8分遅れでバスはアストラムライン大塚駅に到着。
こちらでは3名が下車していきました。
その後バスは、沼田ランプから広島高速に入り、数分走行した中広ランプで降ります。
15時09分、広島バスセンターに到着。
中心街ということもあり、こちらでは半数以上の乗客が下車していきます。
交通量が多い広島市内を走行し、合同庁舎前を経由したバスは、15時23分、定刻4分遅れで終点広島駅新幹線口(マックスバリュ前)に到着しました。
各停便とはいえ、松江から広島まで約3時間20分・・・あっという間の都市間バスの旅でした。
今回、約20年ぶりに広島~松江間都市間バス「グランドアロー」に乗車しましたが、平日にもかかわらず定員(36名)の半数以上乗車があったのには正直驚きました。
それだけ、陰陽間の移動手段として都市間バスの利用が根付いているということなのでしょうが、一方で松江自動車道の開通で広島~松江間が高速道路一本で繋がった以上、(今までもそうでしたが)鉄道が出る幕は殆どないなぁと改めて感じました。
強いてライバルになるとすれば、やはり自家用車でしょうか。
それだけに、今後は自家用車移動に対抗出来るだけの「都市間バスとしての魅力」をさらに上げていく必要があるのかもしれません。
車両サービスの更なる改善や、パークアンドライドの充実、変動制運賃の拡大など、施策はまだまだ残されていると思います。
半世紀以上に渡り、広島~松江の間を結び続けている広島~松江間都市間バス。
沿線地域の過疎化が急速に進む中、同路線が今後どの様に推移していくのか・・・是非とも注目したいですね。
【乗車データ】
- 乗車日:2017/02/16
- 乗車区間:
JR松江駅→広島駅新幹線口(マックスバリュ前) - 運行会社:広島電鉄
- 車両:三菱/エアロエース(QRG-MS96VP)
- 年式:2014年式
- 所属:広島北営業課
- 社番:29696
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