西鉄バス北九州「高速バス 北九州~別府・大分線」乗車記

昼行高速バス,高速バス乗車記

1999年11月の供用開始から16年経った2015年春。
予てから建設が進められていた東九州自動車道の豊前インター~宇佐インター間と佐伯インター~蒲江インター間が開通し、一部区間(椎田南インター~豊前インター)を残して北九州~大分~宮崎の県都間が高速道路一本で結ばれました。
これに伴い、東九州自動車道を走破する高速バスが2路線開業しました。

その路線とは、西鉄バス北九州・大分バス・大分交通・亀の井バスが運行する「高速バス 北九州~別府・大分線」と、大分バス・大分交通・亀の井バス・宮崎交通・JR九州バスが運行する大分~宮崎線「パシフィックライナー」です。

西鉄バス北九州「北九州~別府・大分線」

JR九州バス「パシフィックライナー」 8656
JR九州バス「パシフィックライナー」

高速道路開通に伴う新路線開業という、地方ではよく見られる光景ですが、今回開業した2路線は、共にJR日豊本線の特急列車「ソニック」「にちりん」が並行しており、強力なライバルでもあります。
「安さ」を売りにしている両路線、「果たして実際のところは???」ということで、先日見て来ました。
そこで、今回と次回の2回に分けて、「高速バス 北九州~別府・大分線」「パシフィックライナー」をご紹介します。

今回ご紹介するのは、「高速バス 北九州~別府・大分線」
西鉄バス北九州・大分バス・大分交通・亀の井バスの4社が一日9往復運行します。

実はこの路線、2010年に一度開設された路線でありますが、僅か1年程で運行が休止されています。
ですので、今回は約3年ぶりの復活ということになり、本数も前回運行時の3往復から3倍増になっています。
所要時間は北九州~別府間が約2時間10分、北九州~大分間が約2時間30分となっており、並行するJR「ソニック」と比較すると1時間近くの開きがあります。
この路線の特長は、何といっても運賃の安さ。
曜日別運賃を採用しており、乗車日にもよりますが片道1,500円~2,500円で利用することが出来ます。
更に、2015年6月30日までの期間限定にはなりますが、WEB予約&クレジット決済を行うことで片道1,000円~1,500円で利用することが出来るのです。
JR「ソニック」の小倉~大分間片道指定席が2,980円(2枚きっぷ指定席用利用の場合)ですので、時間がかかるとはいえ、実質半額以下で移動出来るのは大きなアピールポイントです。

所要約2時間のお手頃路線

今回乗車したのは、砂津チャチャタウン前9時44分発の便。
西鉄バス北九州が運行を担当します。
乗車したのはこちらの車両↓。
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611
西鉄の福岡~熊本線「ひのくに号」で活躍していた7611号車(日野セレガHD LKG-RU1ESBA)です。
新車を導入せずに転用で間に合わせるあたり、試験運行的意味合いがあるのでしょうか。

車内はこの様になっておりまして、
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 車内
4列シート40人乗りの昼行高速仕様になっています。
共同運行会社の大分バスと大分交通が、お下がりとはいえ3列シート車を投入していることを考えると、多少見劣りはしますが、所要2時間半程度の路線であれば、この程度の設備でも十分かなぁと私は思います。

砂津チャチャタウンから乗車したのは、私を含めて3名。
その後、小倉駅前で8名、三萩野で1名乗車し、総勢12名で別府・大分へと向かいます。
週末とはいえ、流動数がそれなりにある筈の北九州~別府・大分間で10名程度の乗客数・・・大丈夫なのかなぁという気がします。

10時05分、篠崎南ランプより北九州都市道路へ流入。
その7分後の10時12分にバスは小倉東インターより一旦九州自動車道へと入ります。
10時14分、北九州ジャンクションよりいよいよ東九州自動車道へ。
ここから暫くの間は、山間のハイウェイをひた走ります。
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 車窓 その1

西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 車内 その2

行橋今川パーキングエリアを通過し、左手に海を見ながら椎田南インターで一旦高速道路を降ります。
10時53分、豊前インターより再び東九州自動車道へ。
ここから暫くは、左手に川や水田などを見ながら進んで行きます。
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 車窓 その2

やがて左手には別府市街と海が。
今回、時間があれば別府の温泉に浸かりたかったのですが、またの機会にします。
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 車窓 その3

11時27分、日出ジャンクションで東九州自動車道とは一旦お別れ。
ここからは大分自動車道を走行します。
11時29分、高速別府湾APUに到着しますが、降車客はおらず通過。
その後、別府インターで大分道とはお別れし、11時41分に鉄輪口に到着します。
ここでは2名が下車していきました。これから地獄巡りでもするのでしょうか・・・。
11時54分、別府北浜に到着。
ここでは団体客6名が下車します。
別府で観光をして、温泉でゆっくりするのでしょうか・・・羨ましい!
12時01分、高崎山に到着。
ここでは1名が下車します。

若干渋滞気味の国道10号線を走ること15分程で、右手にはオープンしたてのJRおおいたシティが見えてきます。
あまりの変わり様にビックリです。
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 車窓 その4

そして、定刻より遅れること12分の12時20分、バスは大分駅近くの大分フォーラス前に到着しました。
終点は大分新川(新川バスセンター)ですが、私はこちらで下車。
あっという間だった2時間半のバス旅を振り返りつつ、次なる場所へと向かうのでありました。
西鉄バス北九州「北九州~大分線」 7611 大分フォーラス前到着

今後のPRが路線存続の鍵だと感じました。

というわけで、西鉄バス北九州の高速バス「北九州~別府・大分線」の乗車記をお届けしました。
前半でも書きましたが、週末の土曜日にも関わらず、10名程度の乗客・・・果たして大丈夫なのかなぁというのが、今回乗車してみての率直な感想でした。
確かに、所要時間・本数共にJR「ソニック」の方が圧倒的有利ではありますが、JRの半額以下の運賃で運行しているにも関わらず乗客が少ないということは、バスを利用するメリットが無いかPR不足のどちらかだと思うんですよね。
ですが、前回運行時より所要時間が1時間程短縮されていること、更に本数も3往復から9往復に増えていることを考慮すると、PRをしっかり行うことで、それなりの利用は付く路線になるのでは?と考えます。
この路線が成功するか否かは、今後のPR如何にかかっているような気がします。
実際に乗車の翌日、砂津のチャチャタウンで「北九州~別府・大分線」をPRするイベントが開催されていました。
高速バス「北九州~別府・大分線」PRイベント その1

高速バス「北九州~別府・大分線」PRイベント その2

高速バス「北九州~別府・大分線」PRイベント その3
少しだけ会場にお邪魔しましたが、ようやくPRに本腰を入れるのかなという印象を持ちました。

ビジネス客や所用客の取り込みも大事ですが、この路線のPRにおいて鍵となるのは、JRの半額以下で移動出来る「安さ」をしっかりアピールすることと、やはり九州有数の温泉観光地「別府」をしっかり売り込むことなのではないでしょうか。
実際に今回乗車した便も、乗客の半数以上が別府地区で下車しましたし、北九州から日帰りで出掛ける場所には距離的にも時間的にも丁度良い場所だと思います。
亀の井バスが販売しているフリー乗車券「MyべっぷFree」とのセット券販売や、日帰り温泉パック(or宿泊パック)といった商品を販売しても面白いかもしれません。
(フリー乗車券「MyべっぷFree」とのセット券は既に販売しているかと記憶しているのですが、その割には運行会社の公式サイトに詳細が掲載されておらず、この辺も改善する必要があるかと思います。)
現状を見る限り、このままの状態では再度運行休止・・・ということにもなりかねません。
西鉄バス北九州でも「北九州~別府・大分線」専用ページを開設した様ですし、折角復活した路線なのですから、復活したからには利用者が付く路線に育てて欲しい・・・
そんなことを思った、今回の高速バス「北九州~別府・大分線」の乗車でございました。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2015/04/18
  • 乗車区間:
    砂津(チャチャタウン前)→大分フォーラス前
  • 運行会社:西鉄バス北九州
  • 車両:日野/セレガHD(LKG-RU1ESBA)
  • 年式:2012年式
  • 所属:小倉営業所
  • 社番:7611


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