西日本鉄道「橋本駅循環ミニバス」を見てみる
地下鉄七隈線橋本駅を起点に、野方・橋本地区の公共施設及び住宅地を回るコミュニティバスであります。
元々は、今から約2年半前に社会実験として運行された「橋本駅循環バス」が起源となります。
「橋本駅循環バス」は3ヶ月間の運行で一旦終了となりますが、その後利用客からの意見や要望をもとに「金武・壱岐ブロックまちづくり協議会」及び福岡市と検討を重ね、ルートを一新したのが、今回ご紹介する「橋本駅循環ミニバス」です。
この路線、3ヶ月から半年の間隔で期間を更新しながら運行を続けており、2014年5月23日現在、今運行に際しては8月31日まで運行するとリリースされております。
私自身、「橋本駅循環バス」には以前から注目しておりました。
といいますのも、こと福岡に関しては、地下鉄とバスの連携で上手くいっているケースをあまり聞いたことが無いからです。
しかも、狭隘の住宅地をくまなく経由するということもあって、地元住民の利用状況についても気になっていました。
「気になるのであれば、まずは乗ってみよう!」ということで、早速現地へ飛んで見てきました。
狭隘区間をスイスイと快走
やってきたのは、福岡市営地下鉄七隈線の西側の終点である橋本駅。駅前に地下鉄の車両基地や大型ショッピングセンターがあるものの、閑静な住宅地といった印象を受けます。
そして、駅前のバス乗り場はというと・・・。
ロータリーこそあるものの、多数のバス発着を想定していない(?)造りになっています。
一応バス乗り場ですが、実質上自家用車の乗降場と化しておりました(苦笑)。
今回乗車したバスはこちら↓。
にしてつグループのバスの中でも珍しい存在の、トヨタハイエースコミューター(LDF-KDH223B)です。
壱岐自動車営業所所属で2台在籍しているそうです。
メーカーカタログにて確認したところ、定員が14名(運転席・助手席を含む)となっていましたので、実質の乗客定員は12名といったところでしょうか。
とかくコミュニティバスですと、現在は日野ポンチョかハイエースが主流となっていますが、道路状況及び需要等を考慮して、この車種選択になったのでしょうね。
また、写真では分かりにくいのですが、入口ドアには運行に際して支援を受けている沿線の病院の広告が掲載されています。
では、乗車の模様を簡単にご紹介。
下の運行経路図の画像を見て頂きながら(若しくはクリックした状態で)読んで頂けると幸いです。
バスは橋本駅を出発後、村上華林堂病院から壱岐・野方商店街を抜け、西鉄壱岐自動車営業所が併設されている「野方」バス停に立ち寄ります。
同停留所には営業所内に待合室が併設されており、雨風を気にすること無くバスを待つことが出来ます。
その後バスは、野方西団地から生松台・野方台・野方・藤が丘地区の病院施設や住宅地をくまなく回っていきます。
途中・狭隘区間を走行しますが、小ぶりなハイエースはスイスイと狭隘区間を走行していきます。
やがてバスは壱岐南小学校入口・道隈から再び野方バス停に戻り、再度村上華林堂病院を経由して橋本駅に戻ってきます。
その間約35分。
コミュニティバスの所要時間としては、可もなく不可もなくといったところでしょうか。 因みに、1周通しての乗客数ですが、私を含めて最大4名と少なかったです。
で、今回乗車してみて思ったことなのですが、正直なところ「この路線に関する考察は少し難しい」と感じました。
私なりに気になった点が2つあったのですが、一つは西鉄バスの営業所かつ実質上野方地区の乗り換え拠点・ターミナルにもなっている「野方」バス停の存在です。
「野方」バス停で乗り換えることで、天神・博多駅地区へ30分強で移動することが出来てしまいます。
しかも野方~天神・博多駅間のバスの多くは都市高速道路経由。
余程の渋滞が無い限り、わざわざ橋本駅や姪浜駅で地下鉄に乗り換えて移動するメリットは少ないでしょう。
そしてもう一つは、「橋本駅循環ミニバス」の運行経路のうち、約3割方の区間(野方西団地~生松台地区~上野方台団地)が西鉄バスの既存路線と被っていることです。
まあ、既存路線の運行時刻も変則的で、朝から14時台までは天神直行、それ以降は野方止まりというダイヤを組んでいる関係上、既存路線も決して使い易いとはいえませんが、本数が多い分、実際に利用するとならば西鉄バスの既存路線を選択してしまうでしょうね。(私だったらそうします。)
従って、もし「橋本駅循環ミニバス」の利用客を今以上に増やそうとするならば、西鉄バスの既存路線と「橋本駅循環ミニバス」の関係性を一度整理した上で、野方台・野方・藤が丘地区に特化した路線に変更するとか、これは福岡市交通局と協議前提での話になりますが、「橋本駅循環ミニバス」+「地下鉄七隈線」の乗り継ぎ割り引き運賃を導入するなど、バスと地下鉄へ利用客を誘導するなどといった施策が必要なのかなぁと今回の乗車を通じて感じました。
今のままですと、ジリ貧のまま運行終了・・・という事態にもなりかねないのではと思います。
橋本駅前に掲げられていたこの利用促進のPR幕が現状を物語っているような気がしますが・・・。
利用者が使い易い、そして利用者に親しみ喜ばれるような路線に育てて欲しいと願っています。
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