西鉄高速バス「フェニックス号」各停便乗車記(2011年5月乗車分)
熾烈な争いを繰り広げている福岡~宮崎間高速路線バスと九州新幹線。
これに伴い、「フェニックス号」の大幅リニューアルやジェイアール九州バス「たいよう」の運行開始など、最近高速バス側の動きが慌しくなっています。
これらの現状を確かめるべく、福岡~宮崎間を異なる高速バスで往復してみました。
まずはこちらバス↓に乗車。
西鉄高速バスの福岡~宮崎間高速路線バス「フェニックス号」です。
これまで、「フェニックス号」といえば、西鉄・宮崎交通・九州産交バス・ジェイアール九州バスが4社共同で運行していましたが、2011年3月12日の九州新幹線全線開業に伴う輸送体系変更(「B&Sみやざき号」運行開始など)に伴い、4月12日をもってジェイアール九州バスが「フェニックス号」の運行から撤退、翌4月13日から西鉄の子会社である西鉄高速バスが運行に参入しています。
併せて、運賃体系の変更や福岡側の始発地の変更、停留所の新設座席限定の割引運賃「席割」の導入、「セレクトシート車」の導入など、「フェニックス号」はまるで別路線かの如く大幅にリニューアルしました。
それというのも、同日からジェイアール九州バスも独自で「たいよう」という高速路線バスの運行を開始したからで、片道2,500円~4,500円という運賃体系は、さすがの「フェニックス号」陣営も脅威と思っている様です。
今回は博多バスターミナルから乗車することにしました。 以前の「フェニックス号」はここが始発地でしたが、リニューアル後は西鉄天神バスセンターが始発となり、博多バスターミナルは経由地となってしまいました。
なんでも、競合するジェイアール九州バスの「たいよう」が博多バスターミナル始発で運行しているのですが、博多バスターミナル~宮崎駅間を約4時間で結んでいるため、「たいよう」との所要時間の差を縮めるために変更したとか。
福岡市内の渋滞の影響をあまり受けずに済むメリットがある反面、福岡の中心街である天神からの所要時間が長くなってしまうデメリットもある様で、一長一短といったところでしょうか。
宮原サービスエリアでの休憩を挟んで一路宮崎へ・・・
西鉄高速バスが担当する「フェニックス号」は、福岡を昼頃に出発する2便と最終便2便の計4便。宮崎発も同じく昼頃に出発する2便と最終便2便の計4便を担当します。
11時45分、乗り場に入線です。
車内はこの様になっておりまして、 2+1列29人乗りの昼行高速仕様となっていて、シート幅が広く、ゆったりとくつろぐことが出来ます。
ただ、以前あった飲み物サービスやおしぼりサービスは全て廃止されていて、まともに使用できるサービスはトイレと貸し出し毛布のみ。
長時間の移動となるだけに、出来れば飲み物と軽い食事は持参しておきたいところです。
福岡呉服町にて乗車扱いを行い、窓側の座席がほぼ埋まった「フェニックス号」は、千代ランプから福岡都市高速道路に入ります。
福岡空港を左手に見ながらバスは順調に進み、大宰府インターから九州道へ。そしてバスは一路宮崎へと向かいます。
九州道もスムーズに流れています。
途中休憩は、熊本県の宮原サービスエリアにて10分間設定されています。
この後バスは、八代インター、人吉インター、えびのインター、小林インター、都城北とこまめに停車していきます。
特に都城北では約半数近くの乗客が下車。高速バス以外に福岡への直通交通機関が無い地域のことだけはあります。
バスはその後も順調に走り、15時30過ぎには宮崎インターを降りて宮崎市内に入ります。
「フェニックス」の木が見えてくると、宮崎市中心街はもうすぐそこです。
宮交シティバスセンター、橘通1丁目、デパート前と停車しますが、宮崎市内は少々渋滞気味。
結局、終点のJR宮崎駅に到着したのは、定刻よりも約10分遅れの16時06分のことでした。
今回、約5年ぶりに「フェニックス号」に乗車しましたが、ツアーバスに加えてジェイアール九州バス「たいよう」というライバルも増え、「フェニックス号」を取り巻く環境の厳しさを改めて知りました。
特に付帯サービスの変化には驚くばかりで、コーヒー・お茶・おしぼりのセルフサービスがあった頃を知っている私にとっては、一抹の寂しさも感じました。
まあ、「フェニックス号」も価格競争にさらされているのは事実で、こればかりは仕方が無いところなのもあるのでしょうが、個人的にはツアーバスや「たいよう」と同じ土俵で勝負するよりは、多少料金を徴収してでも今以上にグレードを上げて付加価値を提供する方法(JRの「プレミアムコーチ」や京王の「Sクラスシートなどのクラス別シートの採用など)があってもいいのかな?と思いました。
この後。宮崎に数時間滞在して、「フェニックス号」とライバル関係にあるジェイアール九州バスの「たいよう」で博多に戻るのですが・・・・・
ジェイアール九州バスの「たいよう」については、後日ご紹介します。
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