網走観光交通「網走線」(東藻琴~網走)に登場した復刻カラー車両を見てみる
目次
網走へ移動 そしてお目当ての車両とご対面
知床斜里からは、JR釧網本線の始発列車で網走へ移動します。車両はご覧の通り、JR北海道のキハ54系500番台。
釧網本線ではすっかりお馴染みの車両です。
扇風機の「JNR」マークが懐かしいですね。
右手にオホーツク海を望みながら、列車は網走へ向けて走ります。
50分程で、列車はJR網走駅に到着。
そして、いよいよ、目的を果たす時がやって来ました。
その目的とは・・・
網走観光交通(本社:大空町東藻琴)に突如として導入された路線車490号を一目見る
だったのです。
前回の訪問では空振りだっただけに、「ようやく出会えた!」という想いがこみ上げて来ます。
網走観光交通490号車とはどんな車両なのか?
ここで、網走観光交通490号車について、簡単にご説明します。網走観光交通 490号車
網走観光交通490号車は、現在唯一運行する路線バス「網走線」(網走駅~東藻琴)用に導入した車両です。
導入時期は不明ですが、2022年初頭には稼働を開始したことから、恐らく2021年の年末には入っていたものと推測されます。
車両は、日野ブルーリボンⅡの前扉仕様。
型式はPJ-KV234N1で、自家用シャーシベースの高速バス仕様になっています。
前事業者は名鉄バスで、同社在籍時の車番は6609。
主に名鉄バスセンター~愛知学院大学間などの近距離高速路線に使用されていました。
網走観光交通 490号車の車内
この車両の最大の見どころは、何といっても車体カラーリングです。
約70年前に登場した初代日野ブルーリボンのカタログカラーを、完全に近い形で復刻しています。
このカラーリングですが、道東エリアでは複数の事業者で採用されており、前身の網走交通をはじめ、北見バス(→北海道北見バス)や斜里バスでも採用していました。
このカラーリングを見て、懐かしいと感じる方も少なくないのではないでしょうか。
実際に見てみると、東急マークが自社のマークに変更されている、ブルーリボンの模様・ロゴなど、さすがに100%復刻というわけにはいきませんが、前面の日野ウイングを新たに取り付けるなど、かなりのこだわりを持って登場させたことが伺い知れます。
尚、新天地での運行に際しては、車内運賃表示器の交換、前面LED表示器の交換(小型のものに交換)、側面及び後面のLED表示器の撤去(代わりにステッカーで運行区間を表示)がなされています。
網走観光交通490号車に乗車してみる
折角なので、実際に乗車してみましょう。網走駅前のバス停は、JR網走駅を出て左側の網走交通ビル前にあります。
網走バスのバス停とは異なる場所にありますので、乗車の際は注意が必要です。
網走観光交通「網走線」網走駅前バス停の時刻表です。
平日は5往復、土日祝は4往復の運行です。
網走駅前を発車したバスは、網走川を渡り、オホーツク振興局前、厚生病院前、網走バスターミナル前に立ち寄った後、住宅が建ち並ぶ駒場地区を通過。
その後、オホーツク海が見える国道391号を走行し、藻琴駅前からは道道102号を東藻琴地区へ向けてひた走ります。
乗車時間は約50分とさほど長くない路線ですが、いざ乗車してみると、街の中心部、住宅地、海岸沿い、内陸と、実に変化に富んだ車窓で、北海道の路線バスならではの車窓が楽しめること請け合いです。
久しぶりに「お勧めしたいローカル路線バス」に出会えた気がしました。
終点は、東藻琴地区の中心部にある原紺商店前ですが、今回はバス車庫があるバス会社前にて下車してみました。
道路を挟んで向かいには、網走観光交通の本社社屋とバス待合室、そしてバスの車庫があります。
この場所は、前身の北海道簡易気道藻琴線東藻琴停留所の跡地。
社屋前には、立派な記念碑が設置されていました。
終点まで運行したバスが、車庫に戻って来ました。
バスも、次の便の発車まで、しばしのひと休みです。
バス待合室で暖をとったところで、網走行きのバスの乗車し、藻琴駅前まで移動します。
20分程で、バスは藻琴駅前に到着。
こちらでブルーリボンカラーのバスとはお別れとなりました。
いつかまた会える日まで・・・。
網走観光交通490号車に乗車してみて
以上、2022年初頭に稼働を開始した網走観光交通490号車(日野ブルーリボンⅡ)について簡単にご紹介しました。このバスの稼働については、2022年の正月にSNSなどで初めて知りましたが、まさか網走観光交通が復刻カラーの路線車を登場させるとは・・・と意外に感じました。
それだけに、多くのバスファンにこのバスの存在を知って欲しいですね。
現在、同社の公式サイトでは主だったPRを行っていない様ですが、自社の公式サイトでPRして、観光がてら全国各地から乗りに来てもらうといった施策もアリなのではないかと、今回の乗車を通じて感じた次第です。
東藻琴は、毎年5月から6月にかけて山稜一面に咲く「シバザクラ」が有名です。
⇒ ひがしもこと芝桜公園(オホーツク大空町観光協会公式サイト)
この機会に、昔懐かしい復刻カラーのバスで「シバザクラ」を見に東藻琴へ観光・・・というのはいかがでしょうか。
【乗車データ】
- 乗車日:2022/01/30
- 乗車区間:
網走駅前→バス会社前→藻琴駅前 - 運行会社:網走観光交通
- 車両:日野/ブルーリボンⅡツーステップ(PJ-KV234Q1/元名鉄バス)
- 年式:2006年式
- 所属:本社営業所
- 社番:490
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