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弘南バスと津軽鉄道で奥津軽いまべつ駅へ行ってみました

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2016年(平成28年)3月26日に開業した北海道新幹線

JR北海道 H5系新幹線電車「はやぶさ」 新函館北斗にて_01

新青森~新函館北斗間約148kmをおおよそ1時間で結んでいますが、実際は新青森~新函館北斗間の「はやて」を除いて東北新幹線と直通しており、東京~新函館間は最速4時間2分で直結。
東京・東北と道南を直結する便利な交通機関として、観光客を中心に多くの方が利用しています。

その北海道新幹線の駅の中で、私自身一度でいいから訪れてみたかった駅があったのです。
その駅とは・・・本州唯一のJR北海道管轄駅である「奥津軽いまべつ駅」です。
JR北海道 奥津軽いまべつ駅_01.jpg
新幹線駅の中で1、2位の秘境度を誇るともいわれている奥津軽いまべつ駅。
実は先日、とあるカット写真撮影のために青森を訪れる機会があり、「それならば折角なので訪れてみるか・・・」ということで、早速訪問して来ました。
奥津軽いまべつ駅、果たしてどんな駅なのでしょうか。


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あえてJRを使わずにバスと私鉄で津軽中里へ移動

通常、青森から公共交通機関を利用して奥津軽いまべつ駅へ移動する手段としては、

  • 素直に北海道新幹線を利用する
  • JR津軽線を乗り継いで津軽二股駅まで移動し、津軽二股駅から徒歩で移動する
の2つの方法がありますが、今回私はあえてJRを使わずに、弘南バスと津軽鉄道を乗り継いで奥津軽いまべつ駅まで移動することにしました。
これには理由がありまして、苦戦が伝えられている津軽鉄道中里駅前と奥津軽いまべつ駅の間を結ぶ弘南バス「中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線」に乗車してみるというもう一つの目的を達成するためでもあります。

まずは、青森駅前から弘南バス「青森~五所川原線」で五所川原へ移動します。
弘南バス「青森~五所川原線」 ・958
かつては貸切落しの大型路線車などが活躍していたこの路線も、現在は中型のワンステップもしくはノンステップ仕様のバスが充てられています。
時代も変わりましたね。

五所川原営業所で一旦途中下車し、青森から2時間程で五所川原駅前のバスターミナルに到着します。
弘南バス 五所川原駅前バスターミナル_01

弘南バス 五所川原駅前バスターミナル_02

弘南バス 五所川原駅前バスターミナル_03

弘南バス 五所川原駅前バスターミナル_04

弘南バス 五所川原駅前バスターミナル_05
建物の内壁こそ綺麗になっていましたが、縦書きの時刻表にそば屋と売店、そしておやき屋は健在でした。
古き良き昭和のバスターミナルの姿が、ここにはまだ残っています。
そして、この古き良き佇まいを残すバスターミナルからは、東京行き夜行高速バス「ノクターン号」「パンダ号新宿線」も発車。
昔よりは少なくなったとはいえ、バスを待つ乗客で待合室はそれなりの人がいたりします。
正しく「おらが街のバスターミナル」そのものといえるのではないでしょうか。

バスターミナルの向かいには、JR五所川原駅と津軽鉄道本社、そして津軽鉄道の津軽五所川原駅があります。
JR五所川原駅

津軽鉄道 本社

津軽鉄道 津軽五所川原駅
これらの建物も、「THE昭和」というべき昔懐かしい佇まいを残しています。
五所川原の街自体は新しい建物も結構建っていたりしていますが、このJR五所川原駅付近一帯は、まるで時が止まったかの錯覚に陥る程の懐かしさを感じます。

五所川原からは、人生初乗車となる津軽鉄道で津軽中里へ移動します。
津軽鉄道 津軽21形_01

津軽鉄道 津軽21形_02

津軽鉄道 津軽五所川原駅_02

津軽鉄道 津軽21形_03

津軽鉄道 津軽21形_04
津軽鉄道といえば「ストーブ列車」が有名ですが、今回乗車したのは同社の主力車両である「津軽21形」。
車両デザイン自体は地方鉄道でよく見られるものですが、アテンダントを乗務させたり、ハロウィンの飾りをこしらえたりと、乗客を楽しませようとする努力が垣間見えます。
この様な努力は一乗客として評価したいですね。

津軽五所川原駅を発車した列車は、津軽平野を30分強かけて津軽中里へと向かいます。
津軽鉄道 津軽21形 車窓_01

津軽鉄道 津軽21形 車窓_02
写真はありませんが、途中の嘉瀬駅には、元SMAP(スマップ)の香取慎吾さんと地元小学生が塗装したイラスト車両が留置されていました。
私が乗車した日も、ファンと思わしき方数名が撮影していました。

終点の津軽中里駅です。
津軽鉄道 津軽中里駅
ご覧の通り、かつてのスーパー(旧生協中里店)が併設された形になっていますが、生協は2008年5月に閉店。
現在は物産販売施設などを備えた交流施設「駅ナカにぎわい空間」として、地元住民のコミュニティスペースになっています。

北海道新幹線への2次交通手段として新設された「中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線」

ここからは、今回の目的の一つである路線バス「中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線」に乗車して、目的地である奥津軽いまべつ駅へと向かいます。
元々この路線は、青森県と五所川原市、今別町、中泊町が運行協議会を作り、県が赤字の2分の1を負担すると共に残りの3分の1ずつを3市町が負担、弘南バスに運行を委託する1年間の実証運行として始まりました。
北海道新幹線への2次交通整備の一環として新設されましたが、マスコミ報道(河北新報など)によると、北海道新幹線が開業した2016年3月26日の運行開始からの延べ利用者が2017年1月末現在で2,207人、1日平均約7人、当初想定した数値の約22%と苦戦しているようです。
実際のところどうなのか・・・ということで早速乗車してみます。

津軽中里の駅前に設置されている弘南バスのバス停です。
弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 中里駅前バス停_01

弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 中里駅前バス停_02
「五所川原~小泊線」や中泊町地域連絡バスも停車するようです。

今回私が乗車したのは、中里駅前12時10分発の便。
発車の5分前に1台のバスが到着します。
「中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線」専用ステッカーが貼られた弘南バス五所川原営業所所属のマイクロバス(三菱ローザ)を、専用車両として充てていいるようです。
わざわざ五所川原から回送しているのでしょうか。
弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_01

弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_07

弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_08

私一人を乗せたバスは定刻の12時10分に中里駅前を発車。
中里の街中を抜けたバスは、国道339号を北へ進みます。
弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_09
途中の今泉までは、同じく弘南バスが運行する「五所川原~小泊線(中里経由)」も経由しますが、「中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線」は北海道新幹線の二次交通としての利用に限定しているのか、奥津軽いまべつ駅行きは途中バス停で下車できないクローズドドアシステムを採用しています。
しかも、停車するバス停も途中3箇所しかなく、乗車機会が限られています。
このあたりが苦戦している原因のひとつにも思えます。

国道とはいいつつ決して幅が広くない道を今泉まで走行した後、今度は青森県道12号線(通称:やまなみライン)へ。
先程とはうって変わって、幅の広いよく整備された道路を大平までひた走ります。
大平からは、青森県道14号線を北へ向かいます。

弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_11

弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_12

青森県道12号を暫く走ると、終点の奥津軽いまべつ駅はすぐそこです。

中里駅前~奥津軽いまべつ駅間の所要時間は50分で運賃は1,200円。
確かに、津軽鉄道沿線から奥津軽いまべつ駅へのアクセス手段としては使えると思うのですが、今回乗車してみて感じたのは、そもそもこの路線の存在をどれだけの人が知っているのかということです。
街ゆく何人かの人に聞いてみましたが、この路線存在を知っている人はほぼ皆無でした。
まずはPRをしっかり行って、この路線の存在を多くの方に知ってもらうことが大切なのではないでしょうか。
加えて、一部の便においては津軽鉄道との接続が図られておらず、運行ダイヤ改善の余地があるでしょうし、先述のクローズドドアシステムも見直しの余地があるように思えました。
いっそのこと、奥津軽いまべつ駅行きはフリー乗車制(降車は不可)、中里駅前行きはフリー降車制(乗車は不可)にしてもよいのかもしれません。
ともあれ、色々と課題が多い印象を受けた弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ駅前線」の乗車でした。 
弘南バス「津軽中里~奥津軽いまべつ線」 五所川原 ・201_21

新幹線駅秘境度1、2位を争う(?)奥津軽いまべつ駅

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_01
奥津軽いまべつ駅は、2016年3月26日に北海道新幹線新青森~新函館北斗間の開業に合わせて開業した、本州最北端の新幹線停車駅です。
青函トンネルの竜飛口から約6km の地点にあり、避難駅としての役割も担っています。
また、JR北海道の管轄する駅としては最南端に位置する駅であり、唯一北海道外(青森県内)にある駅でもあります。
駅の外側には貨物列車用の線路が敷かれており、私が降り立った日もEH800形機関車牽引の貨物列車が停車していました。
青函トンネルに入ってしまうと追い抜きが出来ませんので、トンネル直前のこの駅がダイヤ上、重要な場所になっているのかもしれません。

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_02

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_03

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_04
駅舎横には無料の駐車場と「道の駅いまべつ(半島ぷらざアスクル)」、そしてJR東日本津軽線の津軽二股駅が隣接しています。
津軽二股駅付近から連絡通路が整備されており、雨に濡れることなく新幹線へ乗り継ぐことが可能です。
写真を見て頂ければ分かるかと思います。はっきりいって道の駅と津軽二股駅以外、駅周辺には何もないです。
私自身、新函館北斗駅や七戸十和田駅など、駅周辺が静かな新幹線駅は数箇所訪れていますが、これほど周りに何もない駅は初めてです。
現時点で『新幹線駅』という括りで秘境度ランキングを付けるとしたら、奥津軽いまべつ駅は1、2位を争うこと間違いないでしょう。
因みに、奥津軽いまべつ駅の所在地である今別町では、新幹線で青森方面に通学する児童・生徒(北海道側への通学は適用対象外)に対して、定期券料金の3分の1を助成しているそうです。
実際に新幹線通学している生徒も少なからずいるようで、別の日に同駅を訪れた際は、新幹線から降りて来た高校生を数人見かけました。
マスコミ報道によると、「通学が楽になった」「部活に力を入れられるようになった」と好評のようです。

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_05

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_06

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_07
バスのりばも整備されています。
1番のりばは今別市街・三厩方面行きの今別町巡回バスが、2番のりばは私が乗車した弘南バス「中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線」が発着しています。

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_08

JR北海道 奥津軽いまべつ駅_09
駅の構造上、駅コンコース及び改札口へは階段及びエレベーターで上がる必要があります。
階段は114段もありますので、時間があるとき以外はエレベーターを使った方が良いですね。

JR北海道 奥津軽いまべつ駅 ご当地入場券
JR北海道の管轄駅ということから、ご当地入場券も販売されています。
当然ですが、本州でJR北海道のご当地入場券が買えるのは、この奥津軽いまべつ駅だけです。

JR北海道 H5系新幹線電車 奥津軽いまべつ駅にて
奥津軽いまべつ駅に入線する「はやぶさ22号」です。
北海道新幹線の中でも在籍編成数が少ないH5系新幹線電車ですが、奥津軽いまべつ駅には下りが1本(「はやぶさ29号」)、上りが2本(「はやぶさ10号」「はやぶさ22号」)停車します。

この後私は、下り「はやぶさ13号」で津軽海峡を渡り、新函館北斗へ移動。(写真はイメージです。)
JR東日本 E5系新幹線電車「はやぶさ」 新函館北斗にて
乗車時間約50分、あっという間に新函館北斗に到着しました。

以上、長々となってしまいましたが、奥津軽いまべつ駅の訪問記でした。
先述の通り、この駅の周りには道の駅とJR津軽線津軽二股駅以外、何もありません。
何もないのですが、周りの風景が醸し出す「秘境駅」ぶりと「新幹線駅」というギャップ・・・もしかすると、このギャップが奥津軽いまべつ駅の魅力なのかなぁと感じました。
天候が良ければ、コンコースから新幹線や貨物線の線路に津軽海峡、そして北海道を望むことも可能です。
今回は駅舎訪問と新幹線駅までの2次交通の実見が目的でしたが、機会があればまた訪れたいと思いました。

フラっと来たくなる新幹線秘境駅「奥津軽いまべつ駅」。
都会駅のような賑やかさはありませんが、これまでの新幹線駅にはなかった魅力がそこにはあります。


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Koji Suda(ひろしプロジェクト)

Koji Suda(ひろしプロジェクト)

自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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