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夜に現地を出発し、廉価な運賃で翌朝目的地に到着出来る便利な乗り物「夜行高速バス」。
大都市~大都市間、大都市~地方都市間のみならず、地方都市間同士を結ぶ路線も存在し、鉄道では設定が難しい区間でも運行出来る点が、バスならではの良さでもあります。

以前、このブログで、日ノ丸自動車(鳥取市)の福岡~米子・鳥取線「大山号」を取り上げました。

日ノ丸自動車「大山号」・229

九州~山陰間を直通する陸路交通機関の一例として紹介させていただきましたが、今回ご紹介するのは、もう一つの「九州山陰間直通陸路交通機関」である福岡~松江・出雲線「出雲ドリーム博多号」をご紹介します。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957
福岡~松江・出雲間夜行高速バスの歴史は20年以上を誇りますが、その遍歴は移り変わりの激しいものになっています。

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起源は西鉄と一畑が運行していた「出雲路号」

ここで、福岡~松江・出雲間夜行高速バスの歴史について、簡単に振り返っておきましょう。
福岡~松江・出雲間夜行高速バスの起源は、1990年8月に西日本鉄道(西鉄)と一畑電気鉄道(現:一畑バス(一畑))の2社が共同運行していた「出雲路号」になります。
西鉄「出雲路号」 5393

「出雲路号」運行当時は、西鉄天神バスセンター(現・西鉄天神高速バスターミナル)~松江温泉駅(現・松江しんじ湖温泉駅)間の運行で、出雲市駅は経由地でありました。
1999年5月に西鉄が運行から撤退した後は、一畑電気鉄道(現:一畑バス)の単独運行に切り替わり、2003年8月には昼行便も新設されますが、予想していた程の利用客が付かなかったこともあり、昼行便はその2年後の2005年8月をもって運行終了となりました。
暫くは一畑バスによる単独運行が続いていましたが、2009年4月に中国JRバスが運行事業者として新たに参入します。
その後、運行経路や停車停留所の見直しなどが実施されますが、2015年秋に大きな転機が訪れます。
2015年9月30日をもって、一畑バスが運行から撤退し、「出雲路号」としての運行が終了になりました。
これに伴い、西鉄による発券・運行支援業務が終了となり、「@バスで」(ハイウェイバスドットコム)での予約取扱いも終了します。
そして、翌10月1日、中国JRバスが単独で「出雲ドリーム博多号」として運行を開始しました。
福岡側における予約・発券業務が、西鉄に代わってJR九州バスが担当することになり、乗務員休憩・折返し整備等の運行支援業務も、JR九州バス博多支店に変更されます。
停車停留所も見直され、福岡側の起終点が博多バスターミナルに変更された他、小倉駅の停留所も新幹線口に変更されます。
更に、島根側の停車順序も「出雲市駅経由松江駅発着」から「松江駅経由出雲市駅発着」に変更され、下熊谷バスセンターへの乗り入れを終了するとともに、木次高速への停車を開始します。
運賃も往復割引運賃を廃止し、運行カレンダーにおけるA~Fまでの6段階による曜日別運賃制度を導入。
「普通」・「早売5」・「早売10」・「早売17」の4段階において早期の予約・決済で運賃が割安となる早割運賃も利用可能となります。
2016年3月26日からは、JR九州バスが運行に参入し、中国ジェイアールバスとJR九州バス2社の共同運行開始されます。

以上の通り、「出雲路号」から「出雲ドリーム博多号」に変わったことで、停車停留所から運賃体系、取り扱い予約サイトの変更に至るまで、全く別路線といっても過言で無い程までにリニューアルされたのでありました。

快適な車内設備で約9時間の移動もらくらく

やって来たのは、福岡側の起終点である博多バスターミナル。
西鉄バスの一般路線や昭和自動車、JR九州バスの一般路線の他、九州各地や本州・四国方面への高速バスも発着する、全国有数の一大バスターミナルでもあります。

今回乗車したのは、中国JRバス担当便。
こちらの車両↓に乗車しました。(写真はイメージです。)
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957
かつての「出雲路号」にも使用されたことがある641-4957号車(いすゞガーラHD QPG-RU1ESBJ)です。
j-bus製セレガーラの車体に伝統のJRハイウェイバスのカラーリング・・・引き締まって格好良く見えるのは私だけでしょうか。

車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっています。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 車内

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 シート
一時期採用されていた可動式枕付きハイバックシートは導入終了となってしまいましたが、座席は足置き台、レッグレストを完備している他、今日では主流となっている通路カーテンと座席コンセントも完備しており、所要9時間程度の路線としては必要十分な設備を有しています。

博多バスターミナルの発車時刻は22時45分。
10分前には3階35番のりばに入線し、改札が行われます。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 博多バスターミナルにて その1

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 博多バスターミナルにて その2
この日の乗客は、私を含めて10名。
閑散期の平日ということもあり、多数の空席がありますが、この時期で二桁の乗客数は、見方を変えれば乗っている方なのかもしれません。

22時45分、バスは定刻に博多バスターミナルを発車します。
「出雲ドリーム博多号」は、他のJRバス「ドリーム号」と同様に、途中交代式のワンマン運行を実施しており、博多バスターミナル~久地パーキングエリア間はJR九州バスの乗務員が、久地パーキングエリア~出雲市駅間は中国JRバスの乗務員がハンドルを握ります。
広域なエリアを抱えるJRバスならではの乗務員運用といえましょうが、コスト削減の方法としては実に有効な方法の一つでもあり、JRハイウェイバスの強みの一つではないかと思います。

バスは呉服町ランプから福岡都市高速道路に入り、福岡インターから九州自動車道へ。
八幡インターまで九州自動車道を走行した後、八幡インターからは北九州都市高速道路に入ります。
博多バスターミナルから1時間10分でバスは小倉駅新幹線口に到着。
こちらで1名乗車し、富野ランプから再び北九州都市高速道路に入ります。
0時13分、門司インターから関門自動車道に入り、0時18分、関門橋手前のめかりパーキングエリアにて消灯前の開放休憩が実施されます。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 めかりPAにて その1

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 めかりPAにて その2

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 めかりPAにて その3

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 めかりPAにて その4
バスの背後に映る、ライトアップされた「関門橋」の美しさが何ともいえないですね。

0時40分、乗客が全員揃ったところで、前方のカーテンが閉められ消灯。
すぐさまバスは発車し、深夜の中国自動車道~山陽自動車道~広島自動車道~中国自動車道~松江自動車道をひた走ります。
途中の久地パーキングエリアでの乗務員交代は気付くこともなく、翌朝までしっかりと眠っていました。

早朝の5時30分、バスは到着前の開放休憩地である道の駅たたらば壱番地に到着。
こちらでは15分間の開放休憩が設定されています。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 道の駅たたらば壱番地にて その1

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 道の駅たたらば壱番地にて その2
2月ということもあり、この時間の外は真っ暗。
加えて先日降った雪も残っており、外は真冬並みの寒さでした。

5時45分、乗客が全員揃ったところでバスは発車します。
この先は松江自動車道を宍道ジャンクションまで走行した後、山陰自動車道を東に進み松江まで走行。
その後は西に進路を変え、終点出雲市まで走行します。
最初に降車があったのは、山陰自動車道の宍道バスストップ。
6時16分に到着し、こちらでは1名が下車していきました。
6時32分、松江西インターで一旦山陰自動車道を流出し松江市内へ。
6時40分、定刻よりも若干早くバスは松江駅に到着しました。
こちらでは5名が下車していきました。
その後バスは、松江西インターから再び山陰自動車道へ。
斐川インターまで走行し、斐川インターからは一般道を出雲市までひた走ります。
結局、終点の出雲市駅には、定刻よりも10分程早い7時33分に到着。
私を含めて4名が下車し、それぞれ次なる目的地へと向かって行きました。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 JR出雲市駅到着 その1

5年前の「出雲路号」乗車以来、久しぶりに福岡~松江・出雲間夜行高速バスに乗車しましたが、車内設備しかり、中間地点での乗務員交代による完全ワンマン運行しかり、弾力的な変動制運賃の導入しかり、昨今に見られるJRハイウェイバスの特徴を色濃く反映している路線であることを、今回の乗車を通じて実感しました。
一方で、2名乗務で運行していた一畑バスが運行から撤退していることを考えると、これ位のことをしなければ路線を維持していくことは難しいと、中国JRバスとしては以前から考えていたのかもしれません。
聞くところによると、週末は繁忙期はそれなりの乗車率をキープしているそうです。
この状況が今後も続くのかは分かりませんが、「出雲ドリーム博多号」については、路線の動向を見守りたいと同時に、運行会社の中国JRバスとJR九州バスにおいては、九州と島根を結ぶ唯一の直通陸路交通機関として今後も走り続けて欲しいと切に願いたいものです。

見どころが多い九州福岡と、宍道湖と出雲大社で有名な島根県を結ぶ「出雲ドリーム博多号」。
正直なところ、マイナーな路線ではありますが、観光に、ビジネスに、所用に使い勝手が良い路線であることに間違いはありません。
そして、早朝目覚めた時の車窓もお勧めしたいですね。
個人的には、上り便の車内から眺める宍道湖の風景が好きなのですが、下り便の福岡都市高速道路から眺める福岡都心の朝の風景も、一見の価値があるかと思います。
中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 宍道湖を眺めながら・・・

使い勝手が良く、車窓も素晴らしい「出雲ドリーム博多号」。
機会があれば是非一度乗車してみてはいかがでしょうか。

中国JRバス「出雲ドリーム博多号」 641-4957 JR出雲市駅到着 その2


【乗車データ】 
  • 乗車日:2017/02/15
  • 乗車区間:
    博多バスターミナル→出雲市駅
  • 運行会社:中国JRバス
  • 車両:いすゞ/ガーラHD(QPG-RU1ESBJ)
  • 年式:2014年式
  • 所属:島根支店
  • 社番:641-4957

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Koji Suda(ひろしプロジェクト)

Koji Suda(ひろしプロジェクト)

自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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