国際興業「シリウス号」 乗車記

夜行バス,高速バス乗車記




今回ご紹介するのは、2011年5月に乗車した国際興業の東京駅・池袋~八戸・十和田・七戸間夜行高速バス「シリウス号」の乗車記になります。
国際興業「シリウス号」・835

国際興業「シリウス号」・835 リア

その前に、「シリウス号」についておさらいすると、元々この路線は夜行高速バスブームに乗って、JRバス関東と南部バスが「八戸小中野バスセンター~東京駅」間、国際興業と十和田観光電鉄が「八戸~池袋駅」間を計画したため運輸省(当時)が調停に入り、最終的に4社共同運行という形で1989年7月21日に運行を開始しました。
そのため、東京~盛岡線「ドリーム盛岡(らくちん)号」と同様、国際興業の拠点である池袋を経由し、JRバスのハイウェイバスターミナルである東京駅発着となりました。
2005年6月1日には 2往復に改められ、JRバス関東と南部バス、国際興業と十和田観光電鉄がそれぞれペアを組む形となり。なお、その後国際興業と十和田観光電鉄は、十鉄三本木営業所(十和田市)への出入庫を活用し、八戸ラピアバスターミナル~三本木営業所間の連絡バスを運行するようになりましたが、後に定期便化され、国際・十鉄便は東京・池袋 – 八戸・十和田市間の運行となりました。
当初より「シリウス号」の愛称で運行されてきましたが、2008年7月1日の出発便より系統分割・副名称化され「ドリーム八戸・十和田 (シリウス)号」と改称されます。
しかし2009年8月1日の出発便よりJRバス関東が撤退し、名称が再び「シリウス号」に戻されます。
(JRバス関東の担当分は国際興業が運行)。
その後、ETC休日上限1,000円割引制度で打撃を受け、2010年6月30日出発便をもって南部バスも撤退、翌7月1日より運行回数も1日1往復に減便され、国際興業と十和田観光電鉄の2社による共同運行に変更されました。
2010年12月4日には、東北新幹線の八戸 – 新青森間の全線開業に合わせたダイヤ改正を実施、新駅「七戸十和田駅南口」まで延伸されるとともに、青い森鉄道への乗り継ぎに対応させるため「八戸駅東口」への乗り入れを開始します。
同時に、「七戸案内所」・「十和田富士屋ホテル」(七戸行のみ)・「北里大学前」停留所も新たに新設されます。
これに伴い運行経路も見直され、「馬場」・「本八戸駅」・「百石案内所」の各停留所が停車しなくなった他、運行経路変更に合わせ、片道運賃が2割引になる学生割引運賃(学割)を新たに設定、現在に至っています。

この様にここ数年の変化が著しい「シリウス号」ですが、現状どうなっているかを実際に乗車して確認してみました。

学生や新幹線乗り換え客にはむしろ便利になったかも?

今回乗車したのは、始発の東京駅からではなく、池袋駅東口のヤマダ電機前。
国際興業 池袋駅東口バス停
雨の中、余裕を見て出発20分前に乗り場に到着しましたが、既に「シリウス号」を待っていると思われる乗客が数名いました。

22時10分、定刻よりも10分程早く「シリウス号」は乗り場に到着。
早速改札を受け、車内に入ります。
車内はこんな感じです。
(※写真は翌朝到着前に撮影したものです。)
国際興業「シリウス号」・835 車内

国際興業「シリウス号」・835 シート
同社の現行車両(いすゞガーラSHD PKG-RU1ESAJ)の特長は、何といってもホールド感が良い幅広シート。
シートクッションの感触の良さはもちろんのこと、私が気に入ったのは可動式枕のクッション具合の良さでした。
通常、このタイプのシートの枕のクッション具合は、総じて「固め」の場合が多く、翌朝起床した時は首が痛い・・・・・ということも少なくないのですが、このシートの枕はそのようなことがありませんでした。
毛布も、同社独自の保温性に優れた「イオンドクター・ブランケット」を採用、快適な眠りを提供してくれます。

22時20分、満席の乗客を乗せたバスは、定刻に池袋駅東口を出発。
自動音声による運行経路・降車停留所・車内設備の案内が行われた後に、乗務員から補足説明があって、23時前には消灯となるのですが、この路線でも「震災の影響で所々大きく揺れます。予めご了承願います。」との案内が。
震災の影響の大きさを改めて思い知りました。

疲れからか、消灯後暫くの間眠っていたのですが、夜中の2時頃でしょうか、所々細かな揺れで目を覚まします。
被害の大きかった場所を通過したのでしょう。
その後再び就寝に付くと、翌朝目が覚めたのはバスが八戸インターを通過する直前でした。

やがて、八戸インターで2名下車し、次の八戸駅東口、八戸中心街バスターミナル(三日町)、八戸ラピアバスターミナルで数名ずつ下車するものの、八戸を出た時点ではまだ半数以上の乗客が乗車しています。
その後イオンモール下田前、六戸役場通りで1名ずつ下車し、次の北里大学前では10名以上が下車しました。
ちょっとびっくりしましたが、学生らしき人が多く乗車していたことを考えると納得。
静まり返った車内はその後、十和田富士屋ホテル、十和田市駅、七戸案内所で1名ずつ乗客を降ろし、終点の七戸十和田駅まで乗り通したのは、私を含め2名でした。
七戸十和田駅周辺は、近くに道の駅がある以外は何も無く、田舎の長閑な雰囲気が漂う環境です。
地元周辺市町村は、この駅を十和田湖観光の拠点にしたいと考えているようですが、震災の影響もあってか、現状ではかなり厳しい状況であることには間違いありません。
ですが、今年中には駅前にイオンスーパーセンターが出来る予定で、そうなると周辺からの買い物客が見込まれることから、駅周辺は今までよりは賑やかになるでしょう。
今後、駅周辺がどの様に変わっていくか、楽しみではありますね。

さて、「シリウス号」に乗車してみて感じたことですが、ツアー高速バスとの競争にさらされているこの路線、厳しいことに変わりはなさそうです。
ただ、下田・六戸・十和田・七戸地区に徐々に浸透はしているようで、特に北里大学の学生にとっては、週末の東京旅行や帰省に使える路線であることには間違いないでしょう。
今後は八戸地区のみならず、下田・六戸・十和田・七戸地区からの利用客をどの様に増やしていくかが、この路線の存続の鍵になるのでは?と思いました。
「シリウス号」が今後どのような形で推移していくか、私としても注目していきたいと思います。

夜行路線バス「シリウス号」について詳しくはこちらをご覧下さい。


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