夜行バス&鉄道ウォッチャー「ひろしプロジェクトWEB」

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こんにちは。ひろしプロジェクトです。
いつもこのブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

日々の暮らしを乗せて毎日走るローカルバス。
こと北海道に関しては、面積が広いことから「長距離ローカルバス」の宝庫でもあったりします。
有名どころでは
 ・沿岸バス 豊富留萌線(豊富駅-羽幌ターミナル-留萌十字街)
 ・宗谷バス 天北線(稚内駅前BT-猿払-音威子府)
 ・十勝バス 帯広陸別線(十勝バス本社~帯広駅BT~陸別)
 ・函館バス 函館瀬棚線(バスセンター-八雲-上三本杉)
 ・くしろバス 霧多布線(市立病院-厚岸駅前-霧多布温泉)

などがありますよね。
ですが、これからご紹介する阿寒バスの「釧路羅臼線」(釧路市立病院-釧路駅バスターミナル-中標津-羅臼営業所)は、釧路~羅臼間約166kmを約3時間30分かけて走破する、全国でも屈指の長距離ローカル路線バスとして知られています。

勿論、北海道内を走るローカル路線バスの中では、一番長い距離を走ります。
その事がネットなどを通じて知られるようになってからは、様々なメディアなどで取り上げられるようになりました。
数年前には、JAL(日本航空)がバスマニア向けツアーとしてこの路線の乗車をメインにした東京発着のツアー商品を企画販売したり、テレビ東京系の特集番組でこの路線が取り上げられ、女優の大場久美子さんがこの路線に乗車して旅のレポートをするという番組も放映されています。

そんな阿寒バスの「釧路~羅臼線」ですが、実は私、今まで一度も全区間乗車したことがありませんでした。
釧路~中標津間や釧路~標津間は何度か乗車した事があるのですが、全区間の乗車は一度も無いだけに、阿寒バス「釧路~羅臼線」全区間乗車は、私の長年の夢でした!
ですが、今から3年前の夏にようやくその夢を実現。
今回は、その時の模様をお届けしたいと思います。

阿寒バス「釧路羅臼線」の釧路側始発地は、釧路駅前にあるバスターミナルではなく、釧路市立病院になります。
しかし、今回は釧路駅バスターミナルから乗車することに。
出発までかなり時間があるので、釧路駅構内の食堂などで時間を潰します。
以前は駅構内にミスタードーナッツがあって、時間潰しにはもってこいだったのですが、ミスドの閉鎖後は、釧路駅で一番早く開く店も7時開店だったりするので、時間を潰すのに苦労します。

7時過ぎ、再び釧路駅バスターミナルに戻り、バスの入線を待ちます。
そして7時30分頃、道内一長い距離を走るローカル路線バス、「釧路~羅臼線」が乗り場に到着します。
阿寒バス「釧路羅臼線」・・16

阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 釧路駅バスターミナルにて
ご覧の通り、かなり年季の入った三菱エアロバスです。
私の記憶が確かなら、この車両、大阪(若しくは鳥取)の日本交通から移籍して来た車両なのですが、阿寒バスに移籍して既に10年以上経過しているので、製造年数から数えると、実に20年以上走り続けているバスになります。
この先、あと何年活躍するのでしょうか・・・・・。

ドア付近には、主要停車地が表示されています。
阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 側面行先表示
車内はこんな感じです。
阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 車内 その1

阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 車内 その2
通常であればこの便、さほど利用客がいない便なのですが、この日は観光客や帰省客等で混雑していて、半数近くの座席が埋まっていました。

7時35分、定刻にバスは釧路駅バスターミナルを出発します。
ここからは釧路市内の主要病院(日赤病院、労災病院、がんセンター)やポスフール(イオン系)といったショッピングセンターに停車して、乗客を拾っていきます。
釧路を発着する長距離ローカルバスは、この様に市内の主要病院に停車する事によって、地方から釧路市内への通院の足としても機能しています。
更に、この「釧路~羅臼線」では、一部の便で日赤の血液輸送の役割も担っていて、地元生活では欠かせない路線にもなっています。
この為、運行にあたっては沿線自治体や国・北海道からの補助を受けています。
路線が無くならないためにも、移動の際は是非ともバスを利用したいものですね。

バスは釧路市内を離れ、隣の釧路町役場近くの別保駅前を通過。
さらに国道44号から、中標津へ向かう国道272号線へと入っていきます。
ここからは、釧路町から標茶町、別海町、中標津町と、根釧台地をショートカットして中標津市街へと向かいます。
そして、ここから先は、市街地区間を除いてフリー乗降制が適用されます。
停留所以外の場所でも乗降が出来る「フリー乗降制度」、ローカル路線バスならではとも言えるでしょう。

中標津までの道中は、この様な景色が続きます。
阿寒バス「釧路羅臼線」 車窓 その1
天気が良ければ遠くの道までもすっかり見渡せられるのですが、この日の外は生憎の霧雨模様。
まあ、諦めるしかありません。

途中、別海町の区域に入り、「共春」に停車。
ここで1名が下車していきます。
運賃表は既に2,000円を突破しています。
阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 運賃表 その1<br />

更にバスは中標津へと向けて進みますが、行き来する車が少ない為か、一抹の寂しさも。
中標津市街に入り、町立病院や中標津高校前で乗客を乗せます。
ここからは、地方のローカル路線バスの姿を見せ始めます。

そして、釧路駅を出発して約2時間で、バスは中標津バスターミナルに到着しました。
ここで5名程の乗客が下車。と同時に釧路からハンドルを握っていた阿寒バス釧路営業所の乗務員もここで交代。
ここから先は、別の乗務員がハンドルを握ります。
中標津バスターミナルは、旧JR標津線の中標津駅跡付近に建てられたバスターミナルで、根室北部地区の交通の要所となっています。
ここからは、今私が乗車している阿寒バス釧羅線の他、同社の標津線代替バス(標茶~標津線)、中標津町内循環線、根室交通の標津線代替バス(中標津~厚床線)、中標津空港連絡バス(根室行き)も発着しています。
そして、中標津町と言えば、酪農が盛んな場所でも有名です。
町内には雪印乳業の大規模な工場があり、その他酪農関係の企業も進出している事から、人口は根室市にも迫る約24,000人もの人が住んでいます。
特に商業エリアに関して言えば、今や根室市を越える大きさになっていて、町内には根室市にはない大型スーパーセンターや総合病院もあったりします。
やはり、空港がある事が大きいのでしょうか・・・・・。

話を戻しまして・・・・・
中標津バスターミナルを出発したバスは、更に町内のバス停で乗客を乗せ、標津・羅臼へと向けて走ります。
外は相変わらずの霧雨。本来であれば天気が良かった筈なのですが・・・・・普段の行いが悪いのでしょうか・・・・・ww。

中標津を出発して30分、バスは標津バスターミナル(阿寒バス標津営業所)に到着です。
阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 運賃表 その2
ここで4人が下車し、代わりに3人が乗車してきます。
羅臼まであと1時間。
でも、実はここからがこの路線の見せ場だったりもします。

ここから先は、オホーツク海沿いを羅臼までひた走ります。
10時05分、定刻にバスは標津バスターミナル(阿寒バス標津営業所)を出発。
あっという間に市街地を離れ、ここからは左手に山を、右手にオホーツク海を望みながらバスは進んでいきます。
阿寒バス「釧路羅臼線」 車窓 その2

阿寒バス「釧路羅臼線」 車窓 その3
すれ違う車の数は決して多くないのですが、本州からのツーリングのバイクと頻繁にすれ違う光景を見ると、世間がお盆休みである事を改めて実感します。
右手には、天気が良ければ北方領土も見えるのですが、ご覧の通りの天候では・・・・・仕方がないですね。
でも、標津~羅臼間は、雄大なオホーツク海の景色を見ながらのバス旅が堪能できますので、それだけでもこの路線に乗る価値はあります。

羅臼町に入り、春日大川からは羅臼町民の為の路線バスへと様変わり。町内の至る停留所で地元住民が乗車してきます。
「あまり大きくない町にしては頻繁に乗ってくるなぁ~~」と思っていたのですが、乗客達が手にしていた『紙』を見て納得しました。
実は羅臼町では、「町内の人にバスを利用して貰おう」と、住民への運賃補助を行っていて、町内の住民に配布している「バス利用券」を乗務員に渡す事で、羅臼町内の阿寒バスが100円で乗車出来るのです。
最遠区間(羅臼営業所~植別橋)では、通常片道1,000円近くかかるので、これが片道100円で利用出来るとなると・・・・・利用する人も出てくるのでしょうね。

いよいよ、バスは羅臼市街に入っていきます。
阿寒バス「釧路羅臼線」 まもなく羅臼市街

羅臼町内に入り、羅臼本町、富士見橋、羅臼診療所と停車、乗客を降ろしていきます。
阿寒バス「釧路羅臼線」 羅臼市街

そして、狭い道を走り抜けた先端に、阿寒バス羅臼営業所があります。
阿寒バス 羅臼営業所

11時05分、定刻にバスは終点の阿寒バス営業所に到着しました。
運賃表を見ると・・・・・
阿寒バス「釧路羅臼線」・・16 運賃表 その3
始発の釧路市立病院からが・・・・・なんと、4,790円!!
3時間30分かかる路線とはいえ、下手な高速バスより高い運賃です!!

そして、車内に掲げられている停留所一覧を見ると・・・・
阿寒バス「釧路羅臼線」 運行系統図
長い距離を乗ってきたことを改めて実感しました。

今回、この路線の完全乗車は初めてだったのですが、台地を駆け抜け、酪農地帯を眺め、海沿いの道路を走り抜ける・・・・・実に変化に富んだ、面白い路線でした。
一方で、今回の乗車では、地方ローカル路線バスの現実を改めて思い知ったのも事実で、この先果たして路線を維持していくことができるのか・・・・・心配にもなりましたね。
特にこの路線は、羅臼・根室標津・中標津から釧路へ直通する唯一の公共交通機関だけに、「廃止」という事態だけは避けなければなりません。
そのためにも今後、沿線自治体と住民・事業者3者一体で路線を残す方策を更に推し進めていく必要があるのでは?とも感じましたね。

ともあれこの路線、運賃の高さは別として、観光として使うには魅力ある路線です。
さすがパッケージ旅行プランに組まれたり、テレビに紹介されるだけの事はあるなぁと思いました。
この路線の楽しみ方としては、6月~10月の間に運行される知床峠経由の季節運行路線バス「羅臼~ウトロ線」と絡めて利用するのが一番良いでしょうね。
釧羅線で羅臼まで来て、羅臼の水産物を楽しんだ後に、ウトロまで足を伸ばして知床観光をする・・・・・
まさに羅臼・知床観光のゴールデンコースです!
釧路~羅臼~ウトロの観光ルートは、夏でなければ組めない行程ですので、阿寒バスの釧羅線を利用するのであれば、言うまでもなく『夏』ですね。
知床観光をお考えの方、レンタカーでの移動も悪くはありませんが、バスでのんびり移動というのも悪くないですよww。
阿寒バスの「釧路羅臼線」、お勧めしたい路線です。

(2010年8月乗車)


◇◇ 阿寒バス 釧路羅臼線 ◇◇

運行区間・・・・・釧路市立病院~釧路駅~中標津~阿寒バス羅臼営業所

運行本数・・・・・平日4往復 土・日・祝日2往復

運賃・・・・・・・・・片道4,740円(往復割引あり)

詳しくは、阿寒バス「釧路羅臼線」のページをご覧下さい。


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Koji Suda(ひろしプロジェクト)

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自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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